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思うことは ページ34

「…」



"日輪創成魔法 金烏からのはなむけ"




「おお!」

「流石は王族様!」

「A様は魔法までお美しい…」



私がほかと同じように彼らにも魔法を施すと、口々に私を褒めた。

王族や貴族の集まりに出た時にかけられる言葉…

聞き飽きた上辺だけの言葉だ。




「…私は下民だろうと貴族だろうと、同じ魔法を使っています。」

「…?」



小うるさい貴族の坊ちゃんたちは無視して少年に語りかける。



「差別をしているのは、貴方も同じではないですか?」


「えっ」



驚く少年に私は続ける




「貴方は、自分を差別していませんか?
貴方は彼処にいる彼らより本当に劣っていますか?
蔑まれるべき存在ですか? 貴方は自分を、諦めてしまっていませんか?」


「…」




「私は貴方に諦めて欲しくない。」


「!」


「あなたも本当は、違うと思っているんでしょう?」





諦めていないから、自分を信じたいからここに来たんでしょう?




屈めていた膝を地面につき、そっと彼を抱きしめてそう呟いた。



「なっ!?A様…!?」

「そんな汚らわしいやつを…!」




そんな声はもはや私には届かない。
そして彼にも。




「辛い思いをさせてしまってごめんなさい…
私も頑張るから、どうか貴方も負けないで。」


「ーっ!はい…っ!!」




涙に濡れる少年の頬を乾かしたのは、Aの優しい陽であった……




ーーーーー…

そんなこんなで全ての受験生を見送った私は自らの背後に迫る人影に、振り返ることすらしないまま魔法を放った。




"日輪拘束魔法 赭色の日脚"





振り返ると、共に試験を支えるはずだった回復魔道士たちが天高く延びる日差しのなかで閉じ込められているのが目に入る。





「いや〜流石だねぇ、Aちゃん」



「魔法帝…」



いるはずの無い人物がいた。

変装こそしているが、魔の感じでわかる…魔法帝だ






「今日の試験中も、ずっと見てらっしゃいましたよね?」




入団試験が始まった時から魔法帝が紛れ込んでいるのには気付いていた。

恐らく回復魔道士の内の1人と入れ替わっていたのだろう。




「やっぱりバレてたかぁー」




すっかり人気がなくなった試験会場に魔法帝の声が響く。変装を解き、いつもの派手な'魔法帝"に戻った彼は少し真面目な口振りで続ける。




「まずは、君に謝らないとね。囮のようなことに利用してすまなかった」



思わぬ謝罪に少し面食らったが、私は黙って魔法帝の話を聞いた。

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設定タグ:ブラッククローバー , 夢小説 , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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ふーじー。(プロフ) - コメント下さった方々、ありがとうございます!続編の方もよろしければお願いします( ´ ` ) (2020年10月21日 21時) (レス) id: 594ed5f1a0 (このIDを非表示/違反報告)
メガネコ(プロフ) - こんにちは!!とっても面白くて素敵なお話だと思いました!! これからも、更新楽しみに待たせていただきますね!! (2020年10月15日 14時) (レス) id: acba606f80 (このIDを非表示/違反報告)
MAER - 面白いです!更新頑張って下さい、、! (2020年10月12日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
ふーじー。(プロフ) - コメントくださった方ありがとうございます!嬉しいです!これからも頑張ります…! (2020年10月8日 19時) (レス) id: e1e44de3d6 (このIDを非表示/違反報告)
ミノル - 悩むフエゴレオンさんが、可愛い!!サイコーです!嗚呼、マジ尊い、、更新ありがとうございます!! (2020年10月7日 18時) (レス) id: 6c7edba7fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふーじー。 | 作成日時:2020年9月30日 0時

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