魔界5日目 ページ7
「2人とも、あそこに立って〜!」
家を出て暫く歩くと、何やらヘンテコな記号が書かれた看板が置いてあった。
おじいちゃんに促されるまま、私と入間くんはそれの隣に立つ。
「これって…?」
不思議そうに看板を指さす入間くんと私におじいちゃんが素早く魔力を込めた。
すると、驚いたことに記号が"入学式"という文字に変化した。
「入学式…?あ、」
『文字が…読める…!』
「悪魔語が読めるようにしたよ〜
さ、写真写真!」
目を丸くする私たちにそう言いながら自分も看板の隣、私たちと反対側、に立ってオペラさんに写真を撮ってもらう。
ピースをする私と入間くんとは違って、おじいちゃんは右手の人差し指と親指で丸を作り、その他の指を少し曲げてバラすことで6を3つ作っていた。
666…悪魔の数字だっけ…
魔界ではあれが定番なのか…
横目で見ながらそう思い、今度やってみようと思うAだった。
『ねぇ、おじいちゃん?』
それからまた少し歩いて学校を目指す途中で、私はおじいちゃんの手を引いた。
「んん!なんだい??!」
嬉しさに仰け反り気味になるサリバン。
孫の一挙手一投足にオーバーな反応をするおじいちゃんに少し引きながら私は質問をする。
『私と入間くんって、どういう設定になってるの?』
そう、私と入間くんはつい2日前まで全く面識のない他人同士だった。
それが急におじいちゃんの孫、という奇妙な共通項をもつ関係になったわけだが、学校に通うとなると直ぐにボロが出るだろう。
怪しまれない為にも今のうちに出来るだけ擦り合わせておきたかった。
「うーん、双子とか?」
あ、なにも考えてなかったんだな。
サリバンの回答を聞いて直ぐに理解した。
「双子にしては似てないよね、僕たち…」
控えめに正論をいう入間くん。
その通りだ。そして年齢はしれっと合わせるのか。
『せめて従兄弟だよね…』
「あっ!それがいいね!それでいこう!」
私の発言に乗っかるおじいちゃんに、もはや抗議する気力も時間も残ってはいなかった。
「着いたよ〜。
あれが、君たちの通う、"悪魔学校・バビルス"だよ」
気づけば目の前には禍々しい空気をまとった校舎がそびえ立っていた。
頭上には自身の羽で飛んできたであろう悪魔たちが大勢学校を目指してやって来ていた。
細かい設定はあとで話し合おう。
入間くんと目配せし合って、私たちはおじいちゃんと別れたのだった……
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(´・ω・`) - こんにちは。初めて見たのですがキャラとの距離感たまりません。時間があるとき更新してくれると嬉しいです。応援しています! (2020年5月14日 16時) (レス) id: 8cd34875f0 (このIDを非表示/違反報告)
まそっぷ(プロフ) - キャラとの距離感が好きです ファイッ (2020年4月29日 1時) (レス) id: 2db0c0705d (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - すごく面白くて続きが楽しみです!更新頑張ってください! (2020年4月7日 17時) (レス) id: 8a8ffa0991 (このIDを非表示/違反報告)
ふーじー。(プロフ) - さゆゆ☆さん» 初めまして!コメントありがとうございます!私はカルエゴ先生ですね!アズくんもこれから活躍する予定ですので、どうぞお楽しみに! (2020年4月6日 1時) (レス) id: fddd5c4c33 (このIDを非表示/違反報告)
さゆゆ☆ - すごく面白かったです!私はアズくん推しなんですけど、ふーじー。さんは誰推しですか? (2020年4月4日 6時) (レス) id: ac463600dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふーじー。 | 作成日時:2020年3月25日 1時