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「あっ柚宇さん。翠月Aって知ってます?」
そう出水が口にすると国近はん〜と少し首を傾けたあと後ろを見た。そちらはそちらで先輩達による話し合いが行われていたようでどこかの部屋へ移動する話へ進展していた。

「名前くらいは知ってるかなぁ。六叡館だし荒船くんとかの方が詳しいよ?一緒にくる?」
「あー、いやいいっすわ」

再度視線をこちらに戻した国近はいつも通りゆっくりとした口調で誘ってきた。同じ歳の彼らからみた翠月Aは気になるもののさすがに先輩方に混ざるのはアウェーすぎて誘いには断わる。

「そう、じゃ〜ね」

国近が手を振る。他の先輩方も声をかけてくれるため、それに答える。優しくていい先輩であるのは確かだが隊服が全体的に黒くそれなりに威圧感がある。去ったあとは妙に人工的な優しい光が眩しかった。

「つーか学校六叡館なのな」
「それであの余裕とか……」

翠月が学生、ひとつ上の先輩であることや、ボーダーの任務を理由に使い普段学校に行ってないことは知っている。そのため一つ下の自分たちは知らないのか程度に思っていたが所属が六叡館だとは思ってもなかった。

「なんつーか、場違い感が強いよな」

昨日は特に気にもせず雑談に花を咲かせた。しかし、彼女があの鬼怒田さんが室長の技術開発局にスカウトされるくらいの天才であり、そこそこ多忙であることを知った今となるとバカばっかりしている自分たちと雑談に興じたのはなかなか不思議である。
それは同時に緑川にも言えることだった。
緑川は人懐っこく年上ばかりのボーダーでも上手くやって行ってる。それでも戦闘員だからか基本的に興味の対象は「強さ」だ。

「あのさー弾バカ」
「なんだよ槍バカ」
「もしかしてもしかする?」
「日本語喋れ」

いつも通り言葉を交わす彼らの間に覇気はない。知りたくもなかった後輩の恋愛事情を察知してしまったのだから仕方ないとも言えるだろうが。

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雨音(プロフ) - 沖島さん» 返信が遅れてしまいすみません。コメントありがとうございます。過去編含めゆっくりにはなりますが完結まで頑張っていくつもりです。首を長くしてお待ちしていただけると嬉しいです。 (2019年6月14日 18時) (レス) id: 38d5adf2a9 (このIDを非表示/違反報告)
沖島(プロフ) - スカウト組となると元々は戦闘員候補として入ったんじゃないかと深読み考察するくらいには楽しく読ませていただいてます…!緑川くんと知り合った件含めた過去編は追追公開されるのでしょうか…?これからもひっそりと更新を心待ちしております (2019年5月4日 23時) (レス) id: 2fdfab8df6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨音 | 作成日時:2019年3月17日 22時

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