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その後はお菓子を食べながら学校のことやボーダーのことなど色々なことの話が緑川中心で繰り広げられた。

「テストかぁ。懐かしいや」

軽く微笑むこの女性は少し遅れた自己紹介にて予想通り同じくらいの歳である事が分かった。

「懐かしいって翠月さんだって受けてるでしょ」
「一応ね。でも基本ここに居るし、大学はボーダー推薦で行くから受けなくてもいいかなぁって」

勉強の話をしたくない緑川と米屋がお菓子を貪りほかの話をする中で出水と翠月はそんな話をしていた。

「あぁ、ボーダー推薦…だから太刀川さんみたいな大学生が生まれるんだろうなぁ」

毎度レポートに追われ本部長の忍田を初めとする成人組の面々に怒られる己の隊長を思い浮かべる。

「太刀川さんはねぇ昔からああだし癖みたいなものなんだろうけど、ねぇ」
「えっ太刀川さんと仲いいんですか?」

苦笑いをしながら“昔から”とずっと前からの知り合いかのように言う翠月に出水は驚きを露わにした。
驚きで勢いよく言ったため少し驚いた翠月だが直ぐに普通の表情になり困ったように眉をひそめた。

「仲がいい、かは分からないけど一応数年来の知り合いだよ。結構話すし」
「緑川もですけどどうやって知り合ったんですか……」

技術者と戦闘員。
それだけならいいがここが少し特殊なことくらい出水にだって察せた。
なにしろここは開発室の奥の奥。緑川が入った時の技術者の反応を見るにここが嫌悪されるような存在でないことは分かったがこんな所にいるような人と出会うことなどそうないだろうと出水は考えたのだ。

「緑川くんは加古さん経由だけど、太刀川さんとはボーダーの同期みたいなものだから」
「えっじゃあ結構な古株なんすね」

勉強の話じゃなくなったためかいつの間にか話をきちんと聞き始めていた米屋が会話に割り込んでくる。

「まぁね」
「先輩は最初の頃にスカウトされて入ったんだよね」

肯定するだけの翠月に緑川が補足を加える。
開発室の奥という不便さはあるがほかの技術者と違い一室まるごと与えられている翠月が古株かつスカウト組ということに2人は納得した。

「あっやばい、時間だ」

突然鳴りだしたアラームを止めるために緑川がスマートフォンを取り出しながら言った。

「なに緑川防衛任務?」
「うん……」
「じゃあ俺らも帰るか」

コップを片付けようとするが翠月にとめられ素直に甘える。

「お邪魔しました」
「失礼しましたー」
「じぁあね、先輩」

「うん、ばいばい」

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雨音(プロフ) - 沖島さん» 返信が遅れてしまいすみません。コメントありがとうございます。過去編含めゆっくりにはなりますが完結まで頑張っていくつもりです。首を長くしてお待ちしていただけると嬉しいです。 (2019年6月14日 18時) (レス) id: 38d5adf2a9 (このIDを非表示/違反報告)
沖島(プロフ) - スカウト組となると元々は戦闘員候補として入ったんじゃないかと深読み考察するくらいには楽しく読ませていただいてます…!緑川くんと知り合った件含めた過去編は追追公開されるのでしょうか…?これからもひっそりと更新を心待ちしております (2019年5月4日 23時) (レス) id: 2fdfab8df6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨音 | 作成日時:2019年3月17日 22時

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