＊第29話 ページ33
■Aside
ポアロを出た後、俺はある博物館へ向かうため、電車に揺られて目的の駅を目指していた
やはり休日の為か満員で、何故だかチラチラと俺に視線を向ける人間が多く、正直息が詰まっていた
「(早く着いてくれ…)」
次の駅で降りる予定だが、辿り着くまでの時間が随分長く感じる
小さく溜息をつき、下を向く
「…え」
すると、明らかに、小太りのサラリーマンが女子高生の腰辺りを触っているのが目に付いた
「(こいつ…)」
顔を上げると、サラリーマンは息を荒らげ体を密着させ、被害に遭っている女子高生は泣きそうな顔で怯えていた
完璧な痴漢だ
俺自身どんなに人に対してトラウマがあろうと、のうのうと見過ごすわけにはいかない
そっとポケットからスマホを取り出し、カメラ機能を使って無音でその犯行を撮影する
それから、サラリーマンがまさぐっていた手を思い切り掴んだ
「！？っな、なんだね君！離したまえ！」
すると、しまった、と言わんばかりに顔が歪む男
「え、なに？」「痴漢…？」
周りはその声に疑問符を浮かべている
「おいあんた、次の駅で降りてもらうからな」
握る手を強める
「な、なんなんだ！私は何もやってないぞ！」
女子高生は驚いた表情で俺と痴漢男のやり取りを見ていた
「証拠はあるんだ、諦めろ」
軽蔑の目で男を睨む
「ぐｯ…」
すると、観念したのか男はじっと黙り込んだ
良かった、大人しい犯人で…
「君も、辛いだろうけど、一緒に来てね
証言してもらわないといけないから」
「は、い…」
女子高生は怯えながらも、小さく頷いてくれた
『次は〜○○駅〜』
すると、もうすぐで到着を知らせるアナウンスが流れる
電車の速度が落ち、停止をした後ドアがゆっくり開く
「ほら、降り───」
「くそっ！！！！」
ﾄﾞﾝｯ！！！！！
「ｯ！？」
男に降車を促そうとした瞬間、無理やり腕を振りほどかれ、思い切り突き飛ばされてしまう
ガッ！！！
「ぅ…ｯ！！」
突き飛ばされた衝撃で、電車内の壁に思い切り背中から激突し、肺の息が一気に押し出される
「きゃぁぁぁ！！」
すると、被害者の女子高生が驚きで口を押さえる
「か、はっ…
くっ…そ…、待て…ｯ！！！」
息苦しいのを振り切り、俺は逃げ出した男の後を追った
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AMATA(プロフ) - 杏子さん» 伸びたw良かったです！！(？？)楽しみながら読んで下さりありがとうございます！！ (2018年7月16日 15時) (
レス) id: 4b76855916 (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - まって、なってちょっと待って。心臓持たない。待って寿命3年、、、、、、伸びた (2018年7月16日 7時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
AMATA(プロフ) - タナトフィリアさん» わぁぁコメありがとうございます！(´；；｀)そう言って頂けて大変恐縮です…！二人の関係を進展していけるよう更新頑張ります！ (2018年7月10日 0時) (レス) id: 4b76855916 (このIDを非表示/違反報告)
タナトフィリア - ヤバいです！めっちゃキュンキュンしました！続きが楽しみです！更新楽しみに待ってます！応援してます！(*^艸^*) (2018年7月9日 12時) (レス) id: 41c9a6a89d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AMATA | 作成日時：2018年6月25日 23時
