【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ36)

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気懸かり2 ページ36

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-降谷零-

「安室さん、どうしたの？」

「え？」

「溜め息なんてついて何かあった？」

「相変わらずコナンくんは…。まあ、いろいろと」

「喧嘩でもした？」

「喧嘩と言うより、怒られる予感がしてね。車のこと」

「あぁ…」

思わず溜め息をついたことに気付いて小声でコナンが問い掛けてくる。相変わらずの観察眼に困ったような笑みを浮かべた。気懸かりなことと言えば愛車のRX-7のことであった。ほんの数ヵ月前埃一つない状態まで綺麗にしてもらったのに、例の事件で車は廃車になっても可笑しくない状態になってしまっていた。

莉子が聞いたら激怒することは間違いないだろう。自分が事件で10日ぶりに帰った昨日も怒られたが直ぐに許してくれた。しかし車のことになったら直ぐには許してくれないはずだ。今週の金曜日に婚約届けを貰いに行くと言うのに大丈夫だろうかとずっと考えていた。

昨日言うつもりだったが莉子の怒った顔、心配した顔、嬉しそうな顔色々な表情を見たら言えなくなってしまったのだ。

「やっと籍入れられそうなのに、婚約破談されたらどうしようかって柄にもなく悩んじゃってさ」

「え、安室さん、籍入れる日決まったの！？」

「あ？お前、結婚するのか！？」

「え、うそ！？安室さんが！？」

コナンにしか聞こえない声で悩み事を話していたら、コナンが籍を入れるというところに反応して大きな声を出してしまった。何やら言い合いをしていた小五郎と蘭も《籍》と言う言葉に反応してこちらを見てくる。いつまでも隠し通せるものではないため、いつかはバレるとは思っていたがこんな形でバレるとは思わなかった。困ったようにコナンを見る。

「あ、やべ」

「えっと、その…」

「何で師匠の俺に黙ってるんだよ」

「スミマセン」

「今度、婚姻届を持ってお前の婚約者と家に来い」

「え？」

「ちょっと、お父さん？！」

「蘭は黙ってろ。婚姻届には証人が必要だろ？俺がその一人になってやるっていってんだ。お前の師匠であり父親だからな」

結婚する事を黙っていたことについていろいろ文句を言われた。そして莉子も連れて家に来い等と言うのでどう言うことかと思ったが、最後の言葉には驚いてしまう。確かに婚姻届を提出するためには証人が必要であった。

「もう勝手に決めないの！」

「うるせぇ！俺が決めたからいいんだよ」

「スミマセン安室さん、気にしないで下さい」

「大丈夫ですよ、わかりました金曜日にお伺いします」