【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ37)

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お説教ページ37

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-降谷零 side-

「その方とお付き合いして長いんですか？」

「いえ、12月で5か月になります」

「5か月だぁ？まさかデキ婚とかじゃねぇただろうな」

「ち、違いますよ！ちゃんと順番は守りますから！結婚決めたのは彼女と過ごせる時間を作りたかったからですかね。あまり一緒に居てあげられないので」

「それならいいけどよ」

「あの、出来ればまだ秘密にしていたいので、あまり公にはしないでもらえませんか？」

「なんでだ？」

「探偵の仕事で厄介な事件抱えているんです…バレたら彼女に危険が及ぶかも知れなくて。万が一のためです」

「わかったよ、お前も大変だな」

いつまでも隠せるものではないため、結婚することを知られるのは時間の問題である。でも、最初にバレたのがこの家族でよかったと思った。

最初は組織に関わる立場として情報収集のために近づいたに過ぎなかったのに、彼らと時間を共にする中で大切な人へと変化していくのがわかった。

それでも日本を守るためとはいえ、小五郎を誤認逮捕させ、コナンを協力者へ仕立て上げた事は本当に申し訳なく思う。蘭にも辛い思いをさせてしまった。

そんなことも知らないまま、こうして関わりを持ってくれている。そして、自分を息子と呼んだり、婚姻届の保証人になると言う小五郎には本当に頭が上がらない。

「安室さんの彼女って、どんな人なんですか？年下？」

「僕の3個下で、とても芯の強い人です。そして優しくて、何事にも一生懸命で、僕の心の拠り所になってくれている人かな…」

「素敵な人なんですね」

「ええ、僕には勿体無い人です」

「けっ、最初だけだ、そんなもん！結婚して10年も経てば鬱陶しくなるんだよ」

「お父さん！証人になるって言ったくせに、そんな言葉よく言えるわね。あ、新婚でラブラブな安室さん達への僻みでしょ。自分が、お母さんとうまく行かなくて別居してるからって！サイテー」

「ち、ちげーよ！俺は真実を言ったまでだ。安室くん、尻に敷かれたらお終いだからな。男は亭主関白に限る」

「はは、すでに尻に敷かれ気味です」

「優男過ぎるんだよ…お前は。男はな───」

自分は莉子の言葉には甘くて、尻に敷かれていた。そのことを話したら小五郎から軽く説教を食らう。しかし莉子の事を思い浮かべると、ただでさえ迷惑かけているのに亭主関白になどなれそうにはないと思わず苦笑いする。

主導権を握るのは夜の方だけで十分だろう、そんな事を密かに思っていた。