【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ28)

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初デート2 ページ28

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駐車場へ向かえば彼のRX-7に乗り込む。彼の運転している姿を見るのは好きだがいつもドキドキと胸が鳴ってしまう。いつになったら慣れるのだろうか。

『何処に行くんですか？』

「行きたいところとか、やりたい事あるか？」

『賑やかなところじゃなくて、静かな所に行きたいですね』

「静かなところ…人が少ないとは限らないが、紅葉狩りとかどうだ？」

『いいですね、秋らしくて』

彼が紅葉狩りを提案してくれた。紅葉を見るのは好きで、気持ちが落ち着くためとても嬉しく感じる。一人で山へツーリングに行き紅葉を楽しむ事はあるが、彼と一緒に行くことはなく初めてなのでとても楽しみだ。

『あと、一つお願いしても？』

「なんだ？」

『二人で写真撮ってもいいですか？』

「ふっ、構わないよ」

『ほんと？嬉しい』

今まで写真を撮った事はないため、今日の様子を写真を撮って思い出として残しておきたかった。彼から写真の許可を貰い胸が高鳴る。

一時間ほどかけて、県外のとある渓谷にやってきた。道中でもわかるほど、紅葉は綺麗に赤く染まっており今がピークなのが見て取れる。専用駐車場に車停めて外へ出て、思わず深呼吸をしてしまう。

今日は平日であるも、人はそこそこいた。これが休日ならもっと人で溢れていただろう。

『すごく、綺麗で気持ちいい所ですね』

「そうだな、一度来てみたかったんだ。こんな時じゃないと来れないからな。一人でいたときの休日は遠出するってことはなかったから」

『いい機会になって良かったです』

車を降りて彼のもとへ行けば、右手を指を絡めながら握られた。そういえば、手を握って歩くのも初めてで笑みが溢れる。

『何だかんだ、これが初デートになりましたね』

「悪いな、いつも」

『何が？』

「普通の人と付き合ったら寂しい思いをしなくて済んだだろうなって」

『私は、…そうなる事をわかって付き合うことにしたんです。零さんは悪くない。忙しい中でもこうやって一緒にいてくれたり、一緒にご飯食べたり、行ってらっしゃいって零さんを見送ったり、そんな日常があるだけで私は幸せなんです。だからもうその事で謝らないで…』

「……」

『それに、寂しくなったら私のもう一人の恋人と出掛けますから』

「わかったよ。……もう少し歩いたら写真でも撮ろうか」

『はい！』