【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ27)

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初デート1 ページ27

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-降谷零 side-

莉子と付き合い約3ヶ月で婚約し、婚約してから約1ヶ月が経とうとしていた。婚約してから初めてまともな休日が取れたので、今、一緒に過ごしているわけだ。

貴重な休日の午前中は、バイト先であるポアロで提供するケーキの試作品を作っていた。

自分が作ったケーキが溶けてしまうという事件が起こり、コナンの推理をもとに自分なりに原因を特定する事ができた。しかし、また違う原因でケーキが溶けてしまっては元も子もないので、溶けないケーキを作ろうと、レシピを考案し、莉子に試食を頼んで、半熟ケーキを作った。

完成して、莉子に試食してもらったら目を輝かせながら美味しいと言って食べてくれた。
莉子は自分の作った料理をいつも美味しいと言って食べてくれる。だから、長い時間一緒にいられず、寂しい思いをさせてているため、せめて美味しいものを作り喜ばせてあげたかった。

ケーキで軽くお昼を済ませてしまい、午後のことを考えていた。そういえば付き合い出してからまともにデートへ出かけたことがなかった。莉子と出掛けたところと言えば、海沿いのドライブとスーパー、BARくらいだろうか。
いくら自分が忙しく、付き合いをあまり公には出来ないからとはいえ、これではあまりにもお粗末だ。

莉子が良ければデートに行こうと思い誘ってみれば、自分の料理を食べた以上に嬉しそうな顔をしていた。

『いいんですか？』

「いいよ」

デートに行くことが決まれば、莉子に洗い物をさせるわけにはいかない。自分が洗い物を変わり、莉子には準備をさせに行かせる。

あまり、欲を言わない莉子。バイクや車が大好きで、それ以外元々物欲の少ない莉子であるが、自分のせいで今までたくさん我慢させてしまっている部分はある。

今日は、莉子のわがままをたくさん聞こう。

洗い物を終えて、莉子の準備が終わるのを待ちながら、スマホで今日行くところを調べ始めた。

紅葉狩り、温泉、花畑…秋のデートについて調べてきたら色々出てくるが、どこがいいのだろうか迷う。それとも季節があまり関係ない買い物か、テーマパークだろうか…
莉子の事だ。どこへ連れて行っても喜んでくれるだろう。

『お待たせしました、零さん』

「じゃあ、行こうか」

「はい」

秋らしい服装に身を包んだ莉子が、奥の部屋から出てきた。とても似合っている。

準備ができたようなので行こうと思い、立ち上がり家を出た。