【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ26)

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半熟ケーキ2 ページ26

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お昼前になり、形の崩れた今までに見たことのない斬新なケーキが並べられた。とても美味しそうで、お昼過ぎということもあり、空腹から早く食べたい気持ちに襲われる。

「試食、よろしく」

『わぁ、美味しそう！いただきます！』

美味しそうなケーキを食べてみたら、中がトロトロしていて半熟のスポンジに、さっぱりとした生クリームが相性抜群でとても美味しかった。

『すごく美味しいです！』

「それは良かった」

『卵の味も濃いし…でもしつこくない味だし、いくらでも食べられそう』

「おかわりならあるよ」

『じゃあ、食べ終わったらもう一つ頂きます』

お言葉に甘えて二つ目のケーキを食べるが、彼と暮らし始めて、美味しいものを食べすぎてしまっている。そのためか、体重が少しずつ増えていた事を思い出した。それでも、彼の料理は食べたいので、彼が帰ってこない時に食事の量を調整しよう。

『本当に美味しかったです。今度はポアロに食べに行きますね』

「まだ、これを出せるかわからないけどな」

『そっか、これ試作品でしたね』

「ああ。梓さんとかか、コナンくんたちにも食べてもらってから決めようと思ってる」

『きっと、みんな美味しいって言ってくれますよ』

「だといいけど」

これが出せたらかなり好評だろうなと、一人でにこにこしながら考えていた。彼も食べ終えたようなので自分が片付けする事を名乗り出た。

「莉子の午後からの予定は？」

『零さんと家でのんびりと過ごす予定でしたし、特にありませんよ』

「なら、デートに行こうか。付き合ってからちゃんとしたデートに行ったことなかっただろう？」

『え、いいんですか？』

「いいよ」

片付けをしている時に、自分の予定を聞いた後、デートに誘ってくれた。彼の言う通り付き合ってからまともにデートをしたことがなかった。彼の仕事の都合もあり、家で過ごす時間の方が長かったため、もし行けるならとても嬉しい。

「準備もあるし、洗い物は俺がやる。行っておいで」

『すみません…お願いします』

彼が準備をしてくるように言うので、その言葉に甘えて洗い物を任せて準備をしに一度リビングを出ていった。