【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ2)

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レディキラー2 ページ2

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-降谷零 side-

莉子がお酒を飲む度に酔い初めているのが、表情や仕草から理解できた。そろそろ帰宅した方がいいだろうか。心配になり声を掛けると間延びした声で《平気》と答える。

(酔うとこんな感じになるのか)

酔っている場面を見たかったこともあり様子を伺っていたら、莉子は追加で《レディキラー》のカクテルを頼んだ。最後の最後でそれを頼むとは思わなかった。《レディーキラー》は色鮮やかで綺麗な色をしており、飲みやすい反面アルコール度数は非常に高いものだ。男性が女性を口説く時にオーダーする事が多いカクテルで、女性を酔わせる事を目的にして使われる事が多い。そんなお酒なので今以上に酔うのは確実だ。今の莉子に何を言っても利かないと思うので、一応忠告はしつつ好きにさせよう。どうせ家に連れて行くのだから。

それから莉子がマスターと《恋人》についての話をし始めた。所謂馴れ初めだ。告白はどちらからなのか、その言葉は何か…普段とは違い、お酒の力を借りている莉子はかなり饒舌であった。そんな時、《二股の恋人を好きになった理由》をマスターが莉子に聞いた。自分もそれはかなり気になっていたので耳を傾けて理由を聞き、思わず笑いそうになる。莉子らしい理由に愛しさが増すのを感じた。

しかし、《恋人》と会えず寂しい事も同時に話していた。それは普段の莉子からは絶対聞く事が出来ない言葉だった。やはり寂しい思いをさせていたのか。普段一緒にいられないことを歯痒く感じる。

『でも、会えた時に名前を呼ばれたり、ぎゅって抱き締められると嬉しくて、会えなかった時の寂しさが無くなる、の…』

その言葉を残して眠ってしまった。莉子に触れたい気持ちが我慢できず、赤くなった頬や柔らかい髪の毛に触れる。

「寝取っちゃう？」

「ええ、その《恋人二人に》妬けちゃいましたし、そのつもりです」

マスターの言葉に迷いなくそう返事をしてから、自分の残りのお酒を飲み干す。お金をカウンターに置いて、眠っている莉子を抱き上げては家に向かった。