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ユンギside
「…ナムジュニ。どうしてそっちに残るなんてことしたんだよ、」
眠り続ける彼に向かって俺は一人、語りかけた。
よくわかってるはずだった。ナムジュンがホソガをどれほど心の拠り所にしていたかくらい。知ってるはずだった。
遅かれ早かれ、こうなることは予測していたはずだったのに。
ホソガがいなくなってから必死に平静を装ってはいたが、ここ最近の彼は疲弊しきっていた。もう現実世界に帰る気力さえ、なくなっていたのかもしれない
病室にベッドが増えて、テヒョンもジョングギもこれまでにないくらい落ち込んで。生きた屍みたいになってた時に、ある女の存在を知った。
「…あの子が全てを解決してくれるのか？なあ、ナムジュン」
血眼になってグガが探し出して連れてくると、テヒョンは見違えるように溌剌とした。水を得た魚のように生き生きとする彼を嬉しくも思うと同時に、俺はあいつが恐ろしいと思った。
「…テヒョンが、危ない」
彼女にひっつくテヒョンは、一見彼女を可愛がっているように見えるのかもしれない。けど、俺はその光景を見た瞬間、ぞぅっと戦慄が身体を駆け上がるのを感じた。
「うまく言えないんだ、ナムジュン。だがきっと_____」
今日ジョングギから電話が入って、テヒョンがAを失神させたと聞いた時、それは確信に変わった。きっとテヒョンは彼女に過去のことを問い詰めたに違いない。ナムジュンは言っていた。
＿＿＿＿ “鍵であるその子は、幼い頃の記憶が断片的であるらしいんです。ぶつぶつと映像が途切れるように。思い出そうとすると気を失うのだと、古文書には書いてありました”
「…テヒョンは、お前やジニヒョン、ジミナのためなら、“悪魔”にだってなるようなヤツだよ」
なぁ、そうだろ？
ふっと頭を垂れて俯いていると、病室のドアが開いて。振り返ると
「ヒョン、…」
ジョングクが立っていた。
「…そんな顔すんよ、ジョングギ」
レッスンどうだったんだと聞くと、「まあまあです」なんて言うから
「早く一人前になれよ。そうじゃねーと、俺がお前に曲をあげらんねーだろうが」
「…はい」
「お前の晴れ舞台は、全員が見るんだ、」
7人全員で。
だから俺は
「実」を喰らう悪魔ってやつから
絶対に取り返す。
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mila.(プロフ) - BeBeさん» BeBeさん、コメントありがとうございます。とっても嬉しいです！楽しんでいただけて書いて良かったなあと思います(笑) 本当にありがとうございます！ (2019年12月19日 22時) (
レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
BeBe(プロフ) - ファンタジーものは好みではないのに、この作品はすごく面白くて、お話の中に入り込んでしまいます！！楽しく読ませて頂いてます！ (2019年12月17日 14時) (レス) id: e6e2536d94 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - キムさん» わあ、とっても嬉しいお言葉ありがとうございます！2編も楽しみにしていただけると嬉しいです！頑張ります！ (2019年10月29日 22時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
キム(プロフ) - mila.さんのもう一つの作品を読んでこれを読み始めました。世界観がとても好きでわかりそうでわからないこの物語の内容がとても好きです。読んでたらなぜか自然と涙が出て来ました。作者さんが書く文章や言葉の選びはとても心に響きます。これから2編読んで来ます。 (2019年10月28日 18時) (レス) id: dd11077a9f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - さなさん» ご感想、とても嬉しいです！引き続きハラハラドキドキするようなお話が書けるように頑張ります！ご愛読ありがとうございます！ (2019年10月24日 12時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mila.
| 作成日時：2019年10月11日 23時
