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「…う、…」
鈍痛に顔を顰めながら目を開けると、「おはよ」と頭上から声が聞こえた。にゅうっと彫刻のような美しい顔が私の顔を見下ろす。大きな手が私の頭を撫でていることに気づくのに数秒と掛からなかった
「大丈夫？」
気を失っちゃったからと優しい声。
「あ、…テヒョ、…さ、っ」
「ん？」
「ひ、膝枕…ｯ」
彼の膝の上に頭を乗せた状態で横になっていることに気がついて焦って声を出すと、横から大きなため息が聞こえた
「テヒョナ」
「むぅ、ヒョンそんな怖い顔しなくったって「いいからどけ」…はぁい、」
ユンギさんが私を起こしてくれて、テヒョンさんから離す
「悪かったな。体調は？」
「…大丈夫です、」
あの、ここは…？と尋ねると「俺の作業部屋」とユンギさんが答えた。電子ピアノに大きな機材がそこ彼処に置かれていた
「ジョングギから電話あって、お前が倒れたから預かって欲しいって」
あいつ今レッスン中で家いないから、とホットミルクを入れてくれた
「ヒョン、じゃあまたね。また来るね。」
「…ああ、」
「ヒョン、」
「わかってるよ。ここにいるって」
「…うん、」
“またね”
テヒョンさんは何度も確認するように振り返ってはユンギさんを見つめた。
「…テヒョンさんは、仲間思いなんですね」
「…なんでそう思う？」
「“さようなら”と言わずに、執拗に“またね”という言葉を使っているように思えたので…」
「…ふん、」
ご名答、というように笑ってマグカップに口をつける
「仲間思いというと響きはいいが、人一倍寂しがりで、そんで、」
そんで
「…ちょっと固執するタチのやつなんだ」
それでもユンギさんが彼を愛おしく思っていることは、その瞳を見ればすぐにわかる。
「…お前は酷い扱いをされてもいつもそうなのか？」
「え？」
「テヒョナになんか言われたんだろ？まあ、大方察しはつくが、それでも不快な思いをしたのにあいつを拒絶しない」
「…」
「例えば今俺がお前の首を締めても、きっと明日には笑って俺に挨拶するんだろうな」
ハンっと笑う。何も言い返せなかった。
「ま、そんなこと死んでもしねーけど、(笑)」
「…私、やっぱりどこか欠けてますか、」
「……いや。何を基準に、何を“欠落”と取るのかによって、そんなもん変わんだろ。」
黙ってしまった私にユンギさんがぽん、と頭の上に手を乗せて「…泣くなよ？めんどくせえから」と言うから、「そんな子供じゃありません」と笑い返した
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mila.(プロフ) - BeBeさん» BeBeさん、コメントありがとうございます。とっても嬉しいです！楽しんでいただけて書いて良かったなあと思います(笑) 本当にありがとうございます！ (2019年12月19日 22時) (
レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
BeBe(プロフ) - ファンタジーものは好みではないのに、この作品はすごく面白くて、お話の中に入り込んでしまいます！！楽しく読ませて頂いてます！ (2019年12月17日 14時) (レス) id: e6e2536d94 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - キムさん» わあ、とっても嬉しいお言葉ありがとうございます！2編も楽しみにしていただけると嬉しいです！頑張ります！ (2019年10月29日 22時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
キム(プロフ) - mila.さんのもう一つの作品を読んでこれを読み始めました。世界観がとても好きでわかりそうでわからないこの物語の内容がとても好きです。読んでたらなぜか自然と涙が出て来ました。作者さんが書く文章や言葉の選びはとても心に響きます。これから2編読んで来ます。 (2019年10月28日 18時) (レス) id: dd11077a9f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - さなさん» ご感想、とても嬉しいです！引き続きハラハラドキドキするようなお話が書けるように頑張ります！ご愛読ありがとうございます！ (2019年10月24日 12時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mila.
| 作成日時：2019年10月11日 23時
