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「どういう、意味ですか、…っ」
ナムジュンさんが証明した、って。それって____
「…会いに行こうか、直接話した方がいい気がするよ」
ソクジンさんがそう言って、私たちは家を後にした。
「普段ナムジュニヒョンはどんな感じだったの?」
「…とても穏やかで、頼りになる先輩でした。でも、」
「でも?」
「…私、先輩とお話させてもらったことは片手で数えるくらいしかなくって…」
ふっと視線を落とすと、「え、」とジョングクさんが声を漏らした
「ヒョンからは結構Aさんの話聞いてたんだけど、」
「こら、グギ、Aちゃん、でしょ」
え、あー、とジョングクさんは視線を逸らす
「…大丈夫ですよ、そのままで」
女性が苦手なんだったら、と言うと「あーあ、Aちゃんが優しくてよかったね」とジミンさんが笑った
「あ。」
ピタ、とテヒョンさんの足が止まる
「…ごめんねAちゃん、今日はここまでみたい」
ほら、とそのしなやかな細い指が真っ直ぐ前を指差した
ぼわんと時空が歪んだみたいな場所が浮かんでいる。
「あれが、出口ですか」
「うん。」
バイバイ、ジミナ。
テヒョンさんがまたジミンさんに抱きついた。噛み締めるように、ジミンさんも彼の背に手を回すと、ソクジンさんが「ヤー!ヒョンは?!」と大声をあげた
「また来ますよ、ヒョン」
「ユンギ、君は本当にヒョンが好きだね」
「いえ、一言もそんなことは言ってませんけど」
「…さあ、行って、Aちゃん。帰れなくなっちゃうから」
ジミンさんの笑顔があまりにも寂しげで猛烈に胸が痛んだ。トン、と背中を押したのはソクジンさん。
「閉じちまう前に帰るぞ」
そう言ったユンギさんに「閉じる、って?」と尋ねると
「このトンネルはもって5分。その間に通り抜けなければ____」
「…できなかったら、…っ?」
「わかんねーな。けど、きっとこの空間に閉じ込められて、向こうにも、あっちにも行けずにここで独りぼっちだな」
「っ…」
「もうー、あんまり脅さないで」
テヒョンさんが私の手を握る
「一緒に走るよ」
だいじょうぶ、俺と一緒に走れば。最悪ジョングギいるから、おぶってもらおう。
いひひとテヒョンさんが悪戯に笑った。
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mila.(プロフ) - BeBeさん» BeBeさん、コメントありがとうございます。とっても嬉しいです!楽しんでいただけて書いて良かったなあと思います(笑) 本当にありがとうございます! (2019年12月19日 22時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
BeBe(プロフ) - ファンタジーものは好みではないのに、この作品はすごく面白くて、お話の中に入り込んでしまいます!!楽しく読ませて頂いてます! (2019年12月17日 14時) (レス) id: e6e2536d94 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - キムさん» わあ、とっても嬉しいお言葉ありがとうございます!2編も楽しみにしていただけると嬉しいです!頑張ります! (2019年10月29日 22時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
キム(プロフ) - mila.さんのもう一つの作品を読んでこれを読み始めました。世界観がとても好きでわかりそうでわからないこの物語の内容がとても好きです。読んでたらなぜか自然と涙が出て来ました。作者さんが書く文章や言葉の選びはとても心に響きます。これから2編読んで来ます。 (2019年10月28日 18時) (レス) id: dd11077a9f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - さなさん» ご感想、とても嬉しいです!引き続きハラハラドキドキするようなお話が書けるように頑張ります!ご愛読ありがとうございます! (2019年10月24日 12時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mila. | 作成日時:2019年10月11日 23時