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八十三、緊急事態だからしょうがない ページ7

「もう直ぐだからね!しっかり!」
潤一郎の肩を貸し、ゆっくり歩くA。
「本当に、ごめんね・・・」
よたよたとおぼつかない足取り。
左手で血の滲むシャツを抑えるが、じわじわ広がっている。
顔色も悪い。貧血気味なのだろう。
「何言ってるの」
Aは眉に皺を寄せ、むすっとした顔をしながら、足に力を込めた。
「私の・・・所為なんだから、潤君は悪くないわ」
小さな声だが、しっかり潤一郎の耳に届いた。
今回の仕事は思ったよりも荒ぽかった。
最後まで油断すべきでは無かった。
隠れ潜んでいた奴にAを庇い潤一郎が撃たれてしまった。
すぐさま片し、潤一郎の応急手当を施した。
「ほら、入って」
止めて置いた車のドアを開け、潤一郎を後ろに寝かせる。
椿は運転席のドアを開けた。
座らずポケットから携帯を取り出し、与謝野に電話を掛ける。
「潤君が撃たれたの!治療をお願いします!えーっと、こっから・・・」
カーナビに表示された時間を見る。
「十分向かう!」
後ろで聞いていた潤一郎は首を傾げた。
「・・・ン?行き三十分掛かッたよ!?」
Aは人差し指を立てしーっと言う。
「了解」と与謝野の声がした。
携帯を仕舞い、車に乗り込む。
「一寸、正気?三分の一って・・・」
「大丈夫。私を信じて。絶対助かるからね」
ミラーを合わせ、シートベルトを締める。
「そう言えば、Aちゃんって何時の間に免許取ったの?」
取りたいと言う話は前に聞いたが、あれから取ったのだろうか。
「・・・」
「えッ、真逆(まさか)・・・」
潤一郎の頭に教習所にアタッシュケースを持ち込み、パコッと開くと大量のお札。
「此れで、何とかして頂戴」と言っているAが浮かんだ。
「・・・マ〇カーで学んだ!」
ミラー越しに目線が合う。
「いい顔して言うことじゃないよ!?つまり無免許ッてこと!?」
「ぐッ!」傷が痛んだらしく脇腹を抑えた。
「緊急事態よ。大丈夫。私を信じて頂戴」
さっきまでは格好良く見えたのに、今は不安しか感じなかった。 

八十四、ゴーカートじゃないンだよ!?→←八十二、国木田さんマジリスペクトっス



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 24ページ 空気を纏う祖母に とありますが話の流れ敵には 祖父 ではないでしょうか? (2021年4月23日 14時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» おめでとうございます。今年ものっぺり更新ですがよろしくお願いします。 (2019年1月2日 16時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - あけましておめでとうございます!今年も夢主可愛いですね! (2019年1月2日 8時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 柚湯さん» 乗り物って自転車以外酔っちゃいますw。コーヒーカップとかヤバイです。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» 私も運転が激しいのは・・・。吐きますね。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚湯 | 作成日時:2018年3月26日 23時

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