検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:13,254 hit

九十五、久しぶりのデェトだったのに ページ25

「貴方が谷崎くん?」
カジュアルながらも上品さを感じる服を着た、婦人に潤一郎は声を掛けられた。
「えーッと」と言い淀んでいると、女性は「椿Aの祖母」だと名乗った。
あぁ、あのAに多大なる影響を与えた人物だと思い出した。
今日の護衛相手と会話していたことを薄っすら覚えている。
「一寸お話がしたいんだけど、いいかい?」
「あッ、今勤務中でして・・・」
チラリと国木田を見る。
祖母は少し考えたのち、「Aちゃーーん」と少し離れた所にいたAを呼ぶ。
「なぁに、おばぁちゃん?」
両腕に幾つものショッピングバッグを持ったA。
どれだけ買ったのだろうか。
「谷崎くん。キミの上司は、あの方?」
「はい。そう、です」
否、上司なのだろうか。年功序列や入った順で言えば、上司・・・・なのか?
すると祖母はAの腕を掴み、国木田の方へ向かう。
「失礼。お宅の谷崎さんを少々お借りしたいのですが、勤務中と仰っていたので、
うちのAを置いていきますね」
グイッとAを前に突き出す。
突然の発言に驚き、Aと国木田は目を白黒させる。
「ちょ、一寸、おばぁちゃん!?何言ってんの!?
私、今日オフなんだけど!?」
巻き込まれるのは御免だと言っていた筈なのに、何でこうなるのだろうか。
・・・久しぶりだったのに!
「少しだけ、ね?」
「むぅ」と唸る。
尊敬してやまない祖母の頼み。叶えてあげたいが、今は休みなのだ。
どうして、休みなのに仕事紛いなことをしなくてはいけないのか。
「・・・・ほんの少しだけだよ?」
溜息を吐き、お願いを叶えることにした。
しょうがない。愛してやまない祖母の為だ。
「ありがとう。良い子ね」
よしよしとAの頭を撫でて、おでこに接吻(キス)すれば、Aは嬉しそうに目を細めた。
「さァ、谷崎くん行きましょう」
目的地は決まっているらしく、スタコラ足を進める。
「あ、はい・・・」
先に行ってしまった祖母を追いかける。
チラッと見れば、不機嫌なんだか上機嫌なんだかよく分からない表情のAと
未だに急展開に着いていけてない国木田が居た。

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←九十四、労働時間外です



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
72人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 24ページ 空気を纏う祖母に とありますが話の流れ敵には 祖父 ではないでしょうか? (2021年4月23日 14時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» おめでとうございます。今年ものっぺり更新ですがよろしくお願いします。 (2019年1月2日 16時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - あけましておめでとうございます!今年も夢主可愛いですね! (2019年1月2日 8時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 柚湯さん» 乗り物って自転車以外酔っちゃいますw。コーヒーカップとかヤバイです。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» 私も運転が激しいのは・・・。吐きますね。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:柚湯 | 作成日時:2018年3月26日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。