九十一、一人暮らし最終形態 ページ21
「潤一郎君、料理教えてよ」
「いいけど・・・何が作りたいの?」
「なんか凝ったもの!
友人に料理できないって言ったら、めっちゃ馬鹿にされた!
ムカつくから凄いもの作って見返してやる!!」
Aの目は今までになく燃えていた。
それを見てハハッと笑う潤一郎。
「だから、頼りにしてるね」
「うん。先ずは簡単な
「レトルトなら出来るよ」
グッと親指を立てる。
「ルウを使うンだよ」
これは家でお手伝いをあンまりやッてきてないな。
*
「敦君、今日沢山野菜貰ったし、私の最終形態をお見せしよう」
「えっ、いいですよ。鏡花ちゃんも居ますし」
フフッと笑う。
「普段とは違った料理も味わってみない?
ってことで、鏡花ちゃーーん」
手を上げ、鏡花を呼ぶ。
「何?」と鏡花がこちらへ向かってくる。
「鏡花ちゃんに食べて貰いたい料理があるんだけど、お邪魔しても大丈夫?」
鏡花はチラりと敦を見る。
「別に、いいけど・・」
「ありがとう。何か苦手な食べ物はある?」
「特にない」
「そっか、楽しみにしていてね」
ニッコリ微笑んだ。
*
「此処、本当に僕の家だよね」
頷く鏡花。
普段の居間が180°変わっていた。
高級なレストランに在りそうな真っ白なテーブルにお洒落な椅子。
光輝く食器。床も普段の畳みではなく深紅の絨毯。
此処は何処だ。
「なんか落ち着かないね・・・」
ソワソワする敦とは逆に落ち着いている鏡花。
背筋を伸ばし、真剣な顔付きである。
「お待たせ致しました」
区切られたカーテンから、給仕姿のAが出てきた。
手には銀のお盆。
「
何だか、とてつもなくお洒落なものが出てきた。
その後に冷凍アスパラのスープ、鴨肉ローストとパイナップル、リンゴのパイ包み焼きバニラアイス添えなど呪文みたいな名前の料理が出てきた。
どれも美味しかった。けど、もう少し量があってもいい。
「・・・椿さん本当に料理苦手だったんですか!?」
その質問にAは、
「最高の褒め言葉だよ」
満足そうにニヒッと笑った。
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麗(プロフ) - 24ページ 空気を纏う祖母に とありますが話の流れ敵には 祖父 ではないでしょうか? (2021年4月23日 14時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» おめでとうございます。今年ものっぺり更新ですがよろしくお願いします。 (2019年1月2日 16時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - あけましておめでとうございます!今年も夢主可愛いですね! (2019年1月2日 8時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 柚湯さん» 乗り物って自転車以外酔っちゃいますw。コーヒーカップとかヤバイです。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» 私も運転が激しいのは・・・。吐きますね。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚湯 | 作成日時:2018年3月26日 23時