【文豪ストレイドッグス】女性博愛主義の彼女 Ver,３

バンド　出張 ページ18

「今日は特別講師を呼んだよ」
此処は「森ポートプロダクション」。通称森プロ。
パンクな格好をしたメンバー達が集められた。
スパァァァアアン！！
スライド式のドアが勢いよく開いた。
そこにはワイシャツにカーディガンを羽織ったプロデューサー宜しく登場したA。
ライバル事務所のメンバーが登場して響(どよめ)く。
「初めまして、森プロの皆さん。
売れたかったら、私に従いなさぁい」
カッとヒールを鳴らし、腰に手を当てた。

＊

「中原ぁ！そこはもっと抑え目に！！」
メガホンを使って叫ぶ。
「あﾞァ！？」
不機嫌な声が返ってきた。
何故お前に指図されなくはいけないのかと。
何人も殺してきたような、鋭く恐ろしい眼差しを向ける。
「あらあら、口答えする気？」
メガホンを投げ捨てて立ち上がる。
カランと乾いた音が鳴り、不穏な空気が流れ始めた。
バチバチ火花が散る。
ゆっくり圧を纏い中也に近づく。
「いいこと？私の指示に従わなかった数×10,000売上が落ちると考えなさい」
黒いもやが溢れ、Aの髪を逆立たせた。
「受けた仕事はキッチリカッチリ完璧に仕上げる！！解ったらつべこべ言わずＰに従え！！！」

＊

「そう！そう！！そぉう！！！」
殆ど叫び声に近い声を出す椿Ｐ。
彼女を興奮させているのは、

凛した表情で激しくドラムを叩く―樋口一葉
と
特徴的なマスクをした中世的なベーシスト―銀

「いいよぉ！老若男女抱く感じで！！もっと挑発的な目線頂戴！！」
頬を高揚させる。
「・・・・」
絆創膏がトレードマークの彼も、寡黙な銀の兄も、さっきまでいがみあってた素敵帽子の彼も黙ってこの光景を見ていた。

「目線で孕ませてぇ！！殺してぇ！！」
と叫びまくるA。
傍から見たら完全にヤバい人だ。

実はこの二人を撮りたくて依頼を承諾した。
彼女は人気のある中也と芥川よりもこっちにお熱なのだ。
因みにブロマイドも持っている。

＊

「Aの腕は本物みたいね！」
キラキラ光り輝く金髪に紅いドレスを着た少女が動画を見ながら呟く。

人形のような麗しいアドバイザー―エリス。

「でしょでしょ〜。向こうのＰＶ見たときは驚いたんだよねぇ」

エリスを見て微笑む森プロの社長―森鴎外。

さっき出来上がったＭＶを見ていた。
「ＮＧ集も人気でね、是非ともウチでもって依頼したんだ。
ほら、このエリスちゃんも可愛いく撮れてる。流石」
数秒だがエリスも出演している。
A曰く「妖し可愛い」が拘りポイントらしい。
「リンタロウキモイ」
眉を顰めて吐き捨てる。「そんなぁ〜」という弱々しい声はいつも通り無視をした。

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