九、谷崎家にお泊り ページ10
すっかり、日が暮れている。
Aは、戻るまで、谷崎家にお邪魔することになった。
本人もよく(ナオミに)懐いており、嬉しそうである。
「Aちゃんは、お泊りか何かだと思っているンだろうか」
「寂しがったり、泣いたりしませんものね・・・」
此処でも、話し合いが始まるが、Aは部屋の中を興味深く、見て周っている。
「Aちゃんは、何が食べたい?」
「地蜂せんべい!!」
地蜂せんべいとは、長野県大町市の名物で、名前の通り蜂の形そのまま煎餅に練りこまれている。
見た目はちょっとあれだが、目を瞑って食べれば、普通に美味しい。
「そ、それは、ちょっと無理かなぁ・・。他はないの?」
「じゃあ、うどん」
潤一郎は頷き、台所に立つと、料理を始めた。
潤一郎が料理をしている間、ナオミとAは喋っている。
「Aちゃんは、兄様のことどう思ってます?」
「なっナオミ!?何聞いてるの!?」
「えっと、髪の毛が、オレンジ!あと、なんかチャラ男っぽい!」
確かに、潤一郎の見た目は、軟派な男に見える。
しかし中身は結構ヘタレだったりする。
そして、幼い子の純粋な一言は結構胸に来るものだった。
*
夕飯を食べ終わり、お風呂にはナオミと一緒に入り、後は、寝るだけになった。
パジャマは当然、子供用の物を新しく買ってきたものだ。
布団を二枚繋げて、真ん中にA、両端にナオミと潤一郎の川の字で寝ることになった。
「本当に家族になったみたいですわね」
寝付きがよく、横になって五秒位で、寝てしまったA。
「休日にお母さんがお仕事が入って、代わりに頑張って面倒を見るお父さんって感じでしたわ」
「そう?」
「えぇ。又には、A姉さんって読んでみようかしら」
「Aちゃん、今まで以上にデレデレするね・・・」
その光景をすんなり想像出来てしまう。
ジッと眺め、Aの頬を一寸触ってみる、モチモチしている。
寝ているAに微笑み、灯りを消す。
小さな寝息を立てて寝るAは、楽しい夢でも見ているのか、クスッと満足そうに笑った。
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麗(プロフ) - 10ページ 読んでみる ではなく 呼んでみる ではないでしょうか? (2021年4月13日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - みほさん» すいません。そういう仕様と思ってください。ちょこちょこ直したので違和感が少なくなっているといいのですが・・・。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 凰朧月鬼華さん» 改行を増やしてみました。見やすくできるように頑張ります。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 塩キャラメルさん» 遅くなりすいません。少し空白を入れ、改行を加えてみました。少しは見やすくなったでしょうか? (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 句読点の入れ方が独特ですが、そう言う仕様なんでしょうか?読んでいるときに引っ掛かって違和感があったので…。わざとそうしているのであればすいません。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 605cea03c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚湯 | 作成日時:2016年12月11日 4時