五、癖 ページ6
部屋に鳴り響く、目覚まし時計音。
寝たまま、手を伸ばし、時計を止める。静かになるこの一室。
今日は、非番。いくら寝ていようとも誰も邪魔はしない。
結局起きたのは午後十二時。
お昼におはようございます、だ。
まだ、眠たい目を擦り、洗面所へ行き、顔を洗う。
これで、大分、目が冴えるはずだ。
出かける予定も無い時は、パジャマ姿のまま過ごして行く。
朝ご飯兼昼ご飯は、冷蔵庫の中にあった、適当に食べれそうな物。
予定がないと、彼女はダメ人間ぷりを発揮する。
何時もの女の子を愛でる精神も今は穏やかである。
女の子を溺愛しているが、部屋に気に入った女の子の写真がびっしりあるわけでは無い。
実家住まいの時に友達を招待したら、逆に驚かれた位だ。
撮ってある写真は、飾らず、ひっそりと机の中に入っている。
見たい時に出して、見る。
飾って、写真が褪せてしまうのが、嫌なのだ。
欠伸を漏らして、つまらない新聞を投げる。
ボリボリ頭を掻き、歩きながら、パジャマを脱ぎ棄てる。
風呂場に着く頃には、服が無くなっている。
後で、回収するのが、自分で面倒と思っていても、この癖は治らない。
「明日は、仕事・・・か」
捻ると、温いシャワーが全身に当たる。
*
ピンポーンとチャイムが鳴る。
丁度、上がった所だ。タイミングがいい。
ドアを開けると、潤一郎が、手に皿を持ったまま固まっている。
「どうしたの?」
「どうしたのって。そんな恰好で出るンじゃありません!」
バスタオルを巻いた状態で出れば、潤一郎が真っ赤になって、叱るのも無理はない。
「潤一郎君は私の癖をよく知っているだろう。其れに私は、別に何とも思わない」
「いいかい?男は皆、狼なンだよ。何時変身するか、判んないンだよ!?
間違いが起こらない為にも、服を着なさい!
幾ら、異能力者でも、女の子なンだから、自分を大切にしないと」
「そうだよね!女の子は守られるべきだよね」
括弧、自分を抜き。
バスタオル一枚で語る姿は何か危ない。
巻いてあるとは言え、何かの弾みで解けるのでは?と思うと、心配で溜まらない。
皿を押し付け、腰に巻いていたパーカーを解き、Aに被せる。
「返すのは、明日でいいから、ちゃんと服着るンだよ!!」
と言うなり、帰っていった。
目をパチクリさせて、優しい香りがする彼のパーカーと、
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麗(プロフ) - 10ページ 読んでみる ではなく 呼んでみる ではないでしょうか? (2021年4月13日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - みほさん» すいません。そういう仕様と思ってください。ちょこちょこ直したので違和感が少なくなっているといいのですが・・・。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 凰朧月鬼華さん» 改行を増やしてみました。見やすくできるように頑張ります。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 塩キャラメルさん» 遅くなりすいません。少し空白を入れ、改行を加えてみました。少しは見やすくなったでしょうか? (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 句読点の入れ方が独特ですが、そう言う仕様なんでしょうか?読んでいるときに引っ掛かって違和感があったので…。わざとそうしているのであればすいません。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 605cea03c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚湯 | 作成日時:2016年12月11日 4時