【文豪ストレイドッグス】女性博愛主義の彼女

三十九、コレクション ページ47

「そのポーズで、目線はもっと誘う様に！」
何時もの様に探偵社のドアを開けたら、写真撮影を行っていた。
シャッター音が五月蠅い位鳴っている。
「そう！良いよ。今度は妖しく嗤って、妖艶な女性に！！」
何時もの二倍の声の大きさを出して指示を飛ばすA。
「潤君！タオル貸して、レフ版にする！」
予め用意していたのか、タオルを渡す潤一郎。
「谷崎さん、此れなんですか・・・」
「カメラ貰ったから、写真撮影会だって」
「スカートを少し摘まんで、顔は優しく微笑む！そう良いよ」
休む事なく様々な角度からシャッターを切る。
「手慣れてますね・・・」
「ナオミが終わった後は鏡花ちゃんだって」
「つぎいぃぃ、フラッシュ行くよ！！」
まだまだ、写真撮影は終わらないようだ。

＊

「いやぁ、豊作、豊作」
語尾に音符が付きそうなほど喜びを露にしている。
「凪兄さんに感謝しないとね」
如何やら、カメラの送り主は此の前の従兄の様だ。
因みに名前を凪夜と言うらしい、そしてAに凄く甘い。
ブラコンならぬカズコン(？)だろうか。
「知り尽くした大人な魅力の与謝野先生。
学生の初々しい感じのナオミちゃん。
まだ、あどけなさが残ってるけど、時に魅せるクールな一面がある鏡花ちゃん。
眼鏡がよく似合ってる癒し系の春野ちゃん。
うんうん、この職場で良かったって思う時だね」
後は現像するだけらしい。
鏡花の写真が少なかったので、一番多く撮っていた。
「つ、疲れた・・・」
「衣装も用意してたからね・・・」
机の上にある衣服の山、メイドにナースにシスターにバニガール、レースクイーンなどとマニアックな物から、一般的な物まで、揃っている。
一体どこで手に入れるのやら。
「また、コレクションが増える」
上機嫌でカメラを大切そうに撫でる。
「襲撃された時、写真を撮った使い捨てカメラを壊された事があってね。
あの時は、真夏なのに凍えるかと思ったよ」
遠い目で語る潤一郎。
襲撃した人物がどうなったのか、一寸知りたい。
きっと悲惨な事になったのだと安易に予測が出来る。
後日、現像された写真はとても上手く、プロを目指せるのでは？と言う程だった。

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