【文豪ストレイドッグス】女性博愛主義の彼女

三十七、何処かが似ている ページ43

「あそこのお菓子屋さん美味しいらしいから、今度一緒に食べようよ」
真面目に水が張った桶を用意して、相手の頭を入れようとしたのを、
何とか阻止し、一旦探偵社に連れていくと、ドッペルゲンガー騒ぎになった。
なんやかんやあり、調べてみると指名手配されていたので、其の侭警察に受け渡し、
平和は戻って来た。
「あの二人って、数日前喧嘩してませんでしたっけ？」
「新しい男騒ぎで、如何でもよくなったんだろうねぇ」
と、A達から少し離れた所で話しているが、その内容はしっかりと聞こえている。
「そう言えばAちゃん、あの人誰」
「えー、聞きたいの？」
「一寸気になる」
うーんと唸って、頬を掻くA。
「すいません」
知らない声とドアが開く音かした。
「椿Aは居ますでしょうか」
入ってきたのは、此の前Aと仲良くお茶していた、上品そうな男性だった。
「丁度良いような良くないような」
「どっちだよ。ほら、頼んでたヤツ」
「おぉ、もう買ってきてくれたの！？昨日の今日だよ！？」
「可愛いお前の為だよ」
「もうっ」
真っ先に飛んでいき、二人の世界を作っている。
渡されたのは、店のロゴが入った紙袋。
中からは、甘い良い香りがする。
頼んだ物は、美味しいと評判のお菓子屋のケーキ。
「えっと、どちら様で・・・」
何となくこの二人の世界に入り辛い。
「この人は、私の・・・」
「兄です」
「従兄でしょ」
ニッコリ笑顔で言ったのを、ニッコリ笑顔で訂正する。
「いと、こ？」
確かに、親族ならその親密さも頷ける。
「男三人兄弟の従妹なら、妹でも可笑しくない！」
「はいはい。で、こっちは私の彼氏」
「な、んだと・・・何時の間に彼氏なんて作ったんだい？お父さん聞いてないよ！？」
「従兄でしょ」
「オイ、其処の若造。
此奴は俺の女房(バシタ)じゃあ。如何落とし前付けるつもりじゃ、此のチ〇カスゥ」
「従兄でしょ、変なヤクザのテンプレで絡まないであげて」
バリエーション豊富な従兄に冷静に、突っ込んでいく。
「ほら、もう直ぐお昼休み終わるでしょ。帰って」
「最後に、男女におけるＡＢＣは何処までいった？」
「古いし、私達は健全なお付き合いをしてるの」
「Ｃはいってないんだな？膜は無事って事だな！？」
「幼気な未成年いるのに何言ってんの。ほら、帰って」
グイグイ押してやっと追い出しだ。何だか、疲れた。
「何となく似てるよね」
「えっ、あんま嬉しくないよ・・・」
ケーキは女性陣で美味しく頂く事になった。 

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