二十八、超攻略恐るべし ページ33
「はぁ、しょうがないじゃないか、いつの間にかお金差し出しちゃっているんだから」
「其れもう、病気だよ。一回病院行く!?」
向かいに潤一郎が座り、昼食を食べている最中。
カフェうずまきは、よく探偵社員が利用する為か、迷惑を掛けている。
「潤一郎君、はいあーん」
オムライス一口分が乗ったスプーンを差し出す。
「フフッ。美味しい?」
「うん、好きだよね。オムライス」
モグモグ口を動かしている様子が、リスみたいだと思ったりする。
「えぇ、可愛いウエイトレスさんも居るしね」
そのウエイトレスさんに微笑み掛ける。
*
「其処のお姉さん、一寸いいですか?」
街中を歩いていると、スタイル抜群のお姉さんに話しかけられた。
「勿論、構いませんよ」
「アンケートに答えて貰えませんか?」
「えぇ」
渡されたアンケート用紙は、見覚えがあった。
「私、前にですね。二十五万する壺を買ったことがあるんですよ」
お姉さんの眉が少し動いたのを見逃すAではない。
「とっても綺麗に作られてあって、凄いと思うんです」
「それが、何の関係があるのですか?」
「私、これと全く同じアンケート受けたんですよ。今で二回目ですけどね」
ニッコリ微笑んでいるが、女性にはどう見えているのだろうか。
「勿体無いですよ。だって安物を高級品に見せるって大変な技術だと思いません?
プロ目指せますって。
まぁ、余り耐久性は無かったですけど」
「何の事を言っているのか、其れに私は売っているだけで、製造の事はさっぱり・・・」
「誤魔化さなくてもいいのに。お姉さん達、集団でやっているんでしょう?」
フフっと笑って、女性を引き寄せ、耳元で囁く。
「此れだけ、技術持っているのに、本当残念。
ねぇ、もっと大きな事したいと思わない?」
女性の頬に一筋汗が伝う。
「願うなら、叶えてあげてもいいけど?」
クスッと口元を歪め、ツーっと人差し指で女性の頬をなぞる。
「っすいませんでした。全額現金でお返しします!」
バックから、封筒を取り出し、其の侭封筒をAに押し付け、逃げる様に走り出した。
「本当にすいませんでした!」
「えっ一寸・・・」
声を掛けた時には、もう遠くへ行ってしまった。
「知り合いの職人紹介してあげようと思ったのに・・・」
*
「えっ?お金帰ってきたの?」
「うん、もっと大きい事しない?叶えてあげてもいいって言ったら、行っちゃた・・・。
何でかね」
「超攻略恐るべし」
攻略とは、敵を攻めて、陣地などを奪い取る事などを言うらしい。
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麗(プロフ) - 10ページ 読んでみる ではなく 呼んでみる ではないでしょうか? (2021年4月13日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - みほさん» すいません。そういう仕様と思ってください。ちょこちょこ直したので違和感が少なくなっているといいのですが・・・。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 凰朧月鬼華さん» 改行を増やしてみました。見やすくできるように頑張ります。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 塩キャラメルさん» 遅くなりすいません。少し空白を入れ、改行を加えてみました。少しは見やすくなったでしょうか? (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 句読点の入れ方が独特ですが、そう言う仕様なんでしょうか?読んでいるときに引っ掛かって違和感があったので…。わざとそうしているのであればすいません。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 605cea03c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚湯 | 作成日時:2016年12月11日 4時