二十三、マスクで出会った黒髪美人さん ページ28
「お姉さん、これ落ちましたよ」
この女性から落ちたであろう特徴的なマスクを渡そうと、黒髪ロングヘア―の女性に声を掛けた。振りむいた彼女は、美人さんだった。
「ありがとうございます」
凄く可愛い声をしている。
「もしよろしければ、一緒にお茶でもどうですか?美味しいケーキがある店が近いんですよ」
王子様よろしく微笑み、誘う。
*
「人気の店で、女性は勿論、男性も多いんです」
ソファーに腰掛け、ケーキを頼む。美人さんが、あまり喋らないので、自然と静かになる。
頼んだ物が来ると紅茶を啜る音やフォークを使う音だけになってしまった。
紅茶を飲みながら、チラッと美人さんを見ると、美味しいそうに食べているので、
「その表情も素敵です」と心の中で言った。
食べ終わり、会計を済ませたら、近くにあるショーケースで、土産用にロールケーキセットを買う。
彼女を見ると、ショーケースを眺め、悩んでいる。悩んでいる姿も可愛い。
彼女は悩んだ末にクッキーの詰め合わせを買っていた。
「そろそろ帰らなければいけないので」
小さく、控えめな声。
「近くまで、送っていきますよ」
彼女は迷った後に小さく頷いた。
*
「此処で」
「今日は私の我が儘に付き合ってくれてありがとう。とっても楽しっ!?」
最後まで言い終わる前に、Aの近くに何かが、ぶつかり窪みが出来た。
「何をしている。探偵社」
声のする方へ体を動かすと、其処には、写真などで見覚えのある芥川龍之介。
「実際に会うのは、初めてね」
「初めて?人虎の近くに居ただろう」
今の体は潤一郎のもので、芥川は潤一郎と思っているのだろう。
面倒くさい事になってきた。
「其れより、
「もう殺す気満々でしょ。そう言うことは外套脱いでから言って、しかも妹とか・・ねぇ?」
クルッと彼女の方を向くと、黙ったまま。
「えっ?真面目に妹・・・?」
問いかけると、コクリと頷く。
すぐさま、芥川を見て、彼女を見て、また芥川を見て・・・。
「えええぇぇぇぇ!?こんな可愛い子があの芥川の妹ぉ!?
瞳にちゃんと光あるのに!毛先白くないのに!!」
「色々失礼な奴だ」
「お兄さん」
「誰が、兄だ」
「妹さんとお付き合いさせて下さい!」
「許さぬ」
「なら、樋口ちゃんを下さい!」
「却下」
戦闘に発展してきそうなので、退散する。
「黒髪の美人さん、またね」
「待てぇ、タラシぃいいい!!」
「人虎ぉおおお」的な感じで叫んでいるのを、走りながら聞いていた。
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麗(プロフ) - 10ページ 読んでみる ではなく 呼んでみる ではないでしょうか? (2021年4月13日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - みほさん» すいません。そういう仕様と思ってください。ちょこちょこ直したので違和感が少なくなっているといいのですが・・・。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 凰朧月鬼華さん» 改行を増やしてみました。見やすくできるように頑張ります。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 塩キャラメルさん» 遅くなりすいません。少し空白を入れ、改行を加えてみました。少しは見やすくなったでしょうか? (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 句読点の入れ方が独特ですが、そう言う仕様なんでしょうか?読んでいるときに引っ掛かって違和感があったので…。わざとそうしているのであればすいません。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 605cea03c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚湯 | 作成日時:2016年12月11日 4時