二十二、手慣れた彼女 ページ27
「いやぁー自分を目隠しをし、自分に目隠しをされる日が来るなんてね」
まだ、水気がある髪の毛にタオルを被せる。
「これって、私達の事情を知らない第三者から見たら、凄い光景だよねぇ」
「笑い事じゃないからね」
「まぁいいじゃない。こんな経験そうできないよ?」
満足気に笑う姿を見て溜息を吐く。
*
「あっ、ダメです!其処はダメ!!」
焦ったナオミの声が聞こえる。
何事だろうかと、ナオミの部屋に聞き耳を立てる。
「えっ?どうして?」
「――だから、ですよ」
「それこそが、醍醐味の一つでしょう?」
「それもそうですが、怖いですわ」
「あぁ、そんな事言われると、増々やりたくなっちゃうよねぇ」
「酷いですわ、Aさん・・・」
と言っているが、歓喜も含まれている気がする。
「さぁ、いくよ」
「な、何やっているの!二人共!!」
高速で開く扉。
赤く染まった顔で中にいる二人を見る。
キョトンとした顔をした二人。
乗り込んできた、A姿の潤一郎を見て、
「「ジェンガですけど?」」
と口を揃えて言った。
「えっ?ジェ、ジェンガ・・・・」
「そう、ナオミちゃんに誘われてね。潤一郎も後でやろうよ」
「う、ん。そうだねジェンガだよね。ジェンガ」
遠い目をして、ジェンガ、ジェンガと取りつかれたように呟やいた。
*
次の日。朝食を食べている時、ふと思い出した。
「潤一郎君は、パンツ派だよね」
言った途端、潤一郎は、飲んでいた珈琲を勢いよく吹き出し、むせ込んだ。
「まぁ、そうでしたの?兄様」
ナオミもスプーンを止める。
「っげっほ、な、何言ってるのAちゃん!」
「だって、スカート、スウスウするって言ってたから。
あぁ、違う意味で捉えたの?
じゃあ、改めて聞こう、潤君はパンツ派かい?それともノーパン派かい」
カップを置き、口角上げて微笑む。
「っ、朝から変な事聞かないでよ!」
「いや、彼氏の好みを一応把握しておいた方がいいかなってね」
スッと潤一郎の顎に手を伸ばし、軽く持ち上げる。
目と鼻の先程の短い距離、普通ならドキドキするのかもしれないが、残念ながら自分の顔。
逆にホラーだ。
「今後の為にも役に立つんじゃない?」
フッと息が書ける。
そして、潤一郎は思った。
何か手慣れているッと。
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麗(プロフ) - 10ページ 読んでみる ではなく 呼んでみる ではないでしょうか? (2021年4月13日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - みほさん» すいません。そういう仕様と思ってください。ちょこちょこ直したので違和感が少なくなっているといいのですが・・・。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 凰朧月鬼華さん» 改行を増やしてみました。見やすくできるように頑張ります。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 塩キャラメルさん» 遅くなりすいません。少し空白を入れ、改行を加えてみました。少しは見やすくなったでしょうか? (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 句読点の入れ方が独特ですが、そう言う仕様なんでしょうか?読んでいるときに引っ掛かって違和感があったので…。わざとそうしているのであればすいません。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 605cea03c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚湯 | 作成日時:2016年12月11日 4時