十九、人探しは大変 ページ24
「はぁ・・・」
何回目か分からない溜息を吐き、動かしていた手を休め、グッと伸びをする。
「足は閉じたほうが、いいかと思います」
ハッとして、急いで足を閉じる。
「スカートって慣れないなぁ」
慣れていたら、逆に驚きだ。
「Aさんは何時になったら、帰ってくるのでしょうか?」
おやつの時間を過ぎたが、まだAは帰ってこない。
「念の為、椿を探して来い」
自分の体を見つけてくるって、何か不思議だと思いながら、立ち上がる。
*
一方Aサイド。
「ヤバいわ。完全に迷子・・・」
絶賛道に迷い中だった。人っ子一人居ない様な場所では、無いので最悪誰かに道を聞けばいい。
「携帯・・・無いか」
何処を探ってもお目当ての物は出てこない。
「潤一郎君の体だから、異能も潤一郎君のだよね」
指を咥えて考え込む。
「来た道を戻ってみるか」
考えても答えは出ないので、取り合えず、行動することに決めた。
歩いて行くが、こっちで会っているのかと不安になってくる。
「歩いて入れば、いつか着くはず・・・」
寂しい独り言を言いながら、足を動かす。
*
その頃谷崎兄弟は、Aを探していた。
「人探しとか、一番大変だと思うンだけど」
さっきからウロウロしているが、一向に見つからない。
「Aさんの事だから、他の女性としけこんでいたり・・・」
「其れ僕の体でしょ?早く見つけなきゃ!」
歩くたびに、足の小指ら辺が痛い。
慣れないヒールを履いて歩いてる所為だろうか。
*
再びAサイド。
「やっと、知っている所に出てきたよ」
途中、店で道を聞き、歩いてきた。
バスなどの交通手段を使ってもいいのだが、ポケットに入っている財布は潤一郎の物。
幾ら付き合っていたとしても他人の財布を勝手に使うことは出来ない。
まだ、体力は平気だか、疲れてきた。
ゆっくり歩いて行けば、ナオミらしき黒髪の少女を見つけた。
「ナオミちゃん?」
後ろから声を掛けると、肩をビックと震わせた。
「兄様・・・って今はAさんでしたね」
振り返れば、やっぱりナオミだった。
周りを見るが、Aの姿の兄が見当たらない。
「ナオミちゃん。潤一郎君は?」
「あぁ兄様なら、向こうで探してますよ」
手を引かれ、一緒に歩き出す。
「何か不思議な感じがしますわ。兄様の声なのに兄様の声じゃない」
「其れは、そうだよ。私は潤一郎君じゃないし、成れないしね」
少し悲し気に微笑んだ。
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麗(プロフ) - 10ページ 読んでみる ではなく 呼んでみる ではないでしょうか? (2021年4月13日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - みほさん» すいません。そういう仕様と思ってください。ちょこちょこ直したので違和感が少なくなっているといいのですが・・・。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 凰朧月鬼華さん» 改行を増やしてみました。見やすくできるように頑張ります。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 塩キャラメルさん» 遅くなりすいません。少し空白を入れ、改行を加えてみました。少しは見やすくなったでしょうか? (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 句読点の入れ方が独特ですが、そう言う仕様なんでしょうか?読んでいるときに引っ掛かって違和感があったので…。わざとそうしているのであればすいません。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 605cea03c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚湯 | 作成日時:2016年12月11日 4時