十五、キャラが不安定 ページ16
潤一郎は、困惑していた。
何に困惑していると言うと、Aの態度についてだ。
何時も、可笑しいAだが、ここ最近はもっと可笑しい。
ある日は、
「潤一郎君、ナオミちゃんといちゃつくのもいいけど、ちゃんと、手ぇ動かして」
と言い、他の女の子に目をくれず仕事をバリバリやっていた。
次の日は、やたら、甘えてきた。
その次の日は、
「別に、潤君の為にお弁当作ったんじゃないんだからね!」
と、ツンデレキャラになったり、一日ごとに、キャラが変わっていく。
他の探偵社社員に相談してみるが、一人抜いて、「何故こうなったのか知らない」と言う。
乱歩は、
「分かるけど、言ったらつまんないから言わない」
と言い、ラムネを飲み干した。
「一体、何があったンだ・・・?」
よく分からないまま、また一日が過ぎていく。
*
Aのキャラが不安定な日が二週間一寸過ぎたある日。
今日は、どんな感じに成っているのかと思い、ドアを開けると、
「与謝野先生、今日もお肌が滑々ですね」
と普段と変わらないAが居た。
やっぱり、何だったのだろうか。
*
「Aちゃん。昨日までのアレ何だったの?」
「ん?」
まだ、仕事が残っているようで、手を動かしながら、返事をする。
社内には、殆ど人が残っていない。
終わったのか、動かしていた手を止め、潤一郎の方に向く。
「何だって?」
「一日ごとにキャラが変わっていたアレは何だったの?」
「アレはねぇ、前やったギャルゲのヒロインのキャラを一通りやってみたんだよ」
「・・・」
「で、潤一郎君は、どの私が気になったかね?
ツンデレ?甘えん坊?それとも、仕事ができる私かね?」
ニヤリと微笑む彼女。
「それは、勿論」
椅子から立ち上がり、Aに近づく。
「普段の君だよ。だから、真似事何て、しなくてもいいンだよ?」
Aの頬を両手で包み、にっこり微笑む。
顔が赤く成っていくA。
「じゃあ、今日は、私の手料理でも、振る舞いましょうか。潤君、買い物付き合ってよね」
「喜ンで」
帰りの支度をし、近所のスーパーまで手を繋いで行く。
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麗(プロフ) - 10ページ 読んでみる ではなく 呼んでみる ではないでしょうか? (2021年4月13日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - みほさん» すいません。そういう仕様と思ってください。ちょこちょこ直したので違和感が少なくなっているといいのですが・・・。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 凰朧月鬼華さん» 改行を増やしてみました。見やすくできるように頑張ります。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 塩キャラメルさん» 遅くなりすいません。少し空白を入れ、改行を加えてみました。少しは見やすくなったでしょうか? (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 句読点の入れ方が独特ですが、そう言う仕様なんでしょうか?読んでいるときに引っ掛かって違和感があったので…。わざとそうしているのであればすいません。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 605cea03c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚湯 | 作成日時:2016年12月11日 4時