【文豪ストレイドッグス】女性博愛主義の彼女

十四、女を堕として、堕としまくれ ページ15

「ねぇ、何やってンの？」
足を組み、イヤホンをしながら、手を動かしているA。
今、ナオミは学校で居ない。
「ん〜。これはねぇ、ギャルゲだよ」
目線はやっぱり、ゲーム機に向いており、目の前の居る潤一郎に向かない。
「ギャルゲってあの、恋愛シュミレーションゲームのこと？」
「そう、ギャルゲは女の子を堕とす奴で乙女ゲは男を落とす奴」
女の子の場合、落とすと言わず、堕とすと言う所がAらしい。 
「楽しい？」
「潤一郎君も興味がでたのかい？私は今の此の子を堕とす予定なんだよ」
イヤホンを本体から、抜き取ると、軽快な音楽が流れる。
ゲーム機を潤一郎に向けると、画面にはロングストレートの女の子がいる。
「ほら、此の子ナオミちゃんに似てない？」
言われてみれば、何処となく似ている気はする。
でも、ナオミの方が可愛いと思ったが言わないでおくことにした。
「他にもね、保健室の先生とか、お坊ちゃんに付いている護衛の女性とか、学園長の愛娘とか、
事務員の女性とか・・・。兎に角バリエーションが豊富なんだよ。
もちろん、クラスの女子や先輩、後輩、教師なんかも居るね」
ツッコミどころが少しあるゲームなようだ。
教師との恋って危なくないのか？
『一緒に帰りましょう？』
可愛らしい声が聞こえてくる。
「あっ喋るンだ」
「勿論、最近のゲームはよく喋ってくれるよ」
「因みに、何人攻略したの？」
「えーっと・・・」
指を折っていく。
「六人・・・かな？」
「買ったのは？」
「昨日」
「・・・」
Aは、超推理又は超攻略(女性限定)を使っているのでは？と思ってしまった潤一郎であった。

＊

「あれ？」
つい昨日まで、探偵社にまで、ゲーム機を持ち込み、仕事の間やっていたのに、
今日は、ゲームをやってない。
「もう、ゲームやらないの？」
「うん、全部堕としてしまったからね」
詰まら無さそうに言う。
「えっ、まだ、三日しか経ってないよ！？」
「三日も経ったよ。隠しエンドは、隠してある癖に余り面白くなかったなぁ。
潤一郎君、やってみる？何なら、本体ごと貸すよ？」
苦笑いをして、断っておく。
「やっぱり、女の子特有のモチモチ、フワフワ感が味わいたい所だね・・・」
などと、言っているAはいつも通りだ。
「あっ春野ちゃん。私にもお茶！」
まだ、乙女ゲームをやらないだけマシだと思った、

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