十一、恥ずかしい ページ12
「ん・・・おわぁっ!」
目が覚めると、凄く近距離にあるAの顔。
「ぁっはよう。潤くぅん」
さっきの声で起きたらしいが、まだ少し眠たそうなトロンとした瞳。
Aは目を擦って、起き上がる。
思いっきり伸びをすると、ビリッと何かが破ける音がする。
それもそのはず。
昨日の幼児パシャマと今の体では、サイズが合ってない。
ピッチリ体のラインが出て、所々破けている。
急いで、毛布を被せる。
一寸前にも似たようなことがあった気がする。
「着ていた服が破ける程に、太って・・・」
折角被せた毛布から出て、玄関へ向かうAを阻止する。
「何、外に出ようとしてンの!?」
「えっ服取りに行くんだけど・・・」
「外に人居たら、如何するの?羞恥心は無いの!?」
少しずつ、声が大きくなっていく。
「馬鹿にしないで、貰いたい。私にだって恥は有ります!」
「だったら、外行こうとしないで!」
「じゃあ、潤君服取ってきて!!」
「分かったから、お願いだから、外出ないでよ!」
と、急ぎ足で外へ出って行く。
*
「ナオちゃん、聞いておくれよ」
ナオミに抱き着く。
それなりに大きな声で言い合っていたので、ナオミも勿論聞こえていた。
「あら、昨日の記憶有りませんの?」
顔が強張るAを横にナオミは携帯を差し出す。
そこには、幼くなっているAの写真。
写真を見て、固まる。
「可愛かったですわ。ナオミおねぇちゃんって言っていて!」
次々に出てくる、破顔一笑な写真の数々。
「何だか、兄様との子みたいでしたわ」
ナオミの発言に、赤く染まるA。
「如何しました?」
「いや、何でも」
「何で顔が赤いんですの?」
「だって、潤君との子って何か恥ずかしい・・」
赤い顔を腕で隠す。
此処まで、照れているAが珍しい気がして、写真を撮る。
シャッター音が響いて、増々赤くなっていく。
「フフフ、照れているAさんも可愛いですよ」
今なら、潤一郎の苦労が分かる気がする。
携帯を奪おうとして、手を伸ばす。
あと少しで、届くと思った時、足を滑らせ、ナオミを巻き込み、前のめりに倒れた。
ナオミの身体上にAが乗っている。段々、熱も冷めてくる。
そう、主導権を取り戻せばいい。
「さぁ、ナオミちゃん。言う通りにしてくれれば、嫌なことはしないよ・・・?」
妖艶に微笑み、ナオミに触れようとした時、
「取ってきたけど、下、下着はよく分かンないから、適とぅ・・・。
って何やってンの」
丁度、潤一郎が帰ってきた。
目の前には、ほぼ半裸の彼女と押し倒されている妹。中々カオスな状況だ。
116人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麗(プロフ) - 10ページ 読んでみる ではなく 呼んでみる ではないでしょうか? (2021年4月13日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - みほさん» すいません。そういう仕様と思ってください。ちょこちょこ直したので違和感が少なくなっているといいのですが・・・。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 凰朧月鬼華さん» 改行を増やしてみました。見やすくできるように頑張ります。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 塩キャラメルさん» 遅くなりすいません。少し空白を入れ、改行を加えてみました。少しは見やすくなったでしょうか? (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 句読点の入れ方が独特ですが、そう言う仕様なんでしょうか?読んでいるときに引っ掛かって違和感があったので…。わざとそうしているのであればすいません。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 605cea03c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柚湯 | 作成日時:2016年12月11日 4時