【オリジナル】痛みと苦しみを。*１* (ページ3)

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＃３ページ3

｢ねぇ、カラオケ行かない？｣

え、私……じゃないよね。
そう思って鞄を持って教室を出ようとすると、花梨が腕を掴んできた。

｢うちらの事、無視するつもり？あんたにだよ、行くかって聞いたのは｣

花梨の両隣では伊織とカナミがニヤニヤしながら私を見ている。

｢う……うん、行く……｣

用事があるから行けないと言おうとしたが、花梨達の威圧感で私は断る事ができなかった。商店街のカラオケに行き、３人はノリノリで歌っている。その間、私はお母さんにメールで歯医者に行けないと伝えていた。

｢あー楽しかったー♪ そうだ弥生、あたし達の分も払っといてよねー｣

｢えっ、ちょ……何で私が――｣

｢いいじゃーん、あんたあたしらのしもべでしょー？｣

そう言って花梨達は店を出ていってしまう。私は仕方なく、４人分の代金を払ったのだった。そしてある日の休み時間。

｢――えっ、掃除当番を代わってほしい!?｣

｢そうなの！あたし、塾で早く行かなきゃだから……｣

伊織に掃除当番を代わってほしいと頼まれたのだ。

｢でもっ……、昨日も一昨日も同じ事言って……｣

｢何よ、また虐められたいの？｣

そう言って伊織は眉間にしわを寄せて睨んでくる。

｢とにかく!! 掃除当番お願いね！｣

そ、そんな……しかも一番汚いトイレ!?
私は放課後、トイレ掃除をする事になったのだった。
そして月日が経ち、夏休み。花梨から『買い物に行こう』というメールが来て、私は待ち合わせ場所に走った。