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「やーよいっ! あたし達の鞄、教室までよろしくねー♪」

振り返ると、そこには花梨達がいた。そう言って私に鞄を持たせて歩いていく。

「弥生……、大丈夫?」

後ろから再び声がした。今度は私の“友達だった”山吹夕子だ。
何で過去形なのかって? それは――。

「夕子には関係ないからほっといてよ、私の事」

「何で? 私達、友達じゃ――」

「あんたなんか友達じゃない!!」

私はそう叫んで教室まで走る。
何さ……私を裏切ったくせに!!
数分後、イライラしながら教室に入った私は3人の机に鞄を置いた。

「サンキュ。あ、そうそう……」

カナミはそう言うと、鞄の中からワークを取り出した。

「これ、やっといてくんない? 宿題、忘れちゃったんだよねー」

「あっ、あたしもー」

すると、2人もワークを取り出して私に渡してくる。

「……っ、宿題くらい自分で――」

「何でも言う事聞くんでしょ? ……また虐められたいの?」

「!! や……だ……」

「んじゃ、3時間目までに終わらせておいてよね。筆跡もバレないようにちゃんと変えるのよ」

そう言って3人は席に戻っていった。私はHRと授業の時間も使い、3人の宿題をやった。……もちろん、筆跡も変えて。

「弥生ー、あたし達が頼んだ宿題やってくれたー?」

「うん、やったよ。筆跡も変えたし」

「はーい、ごくろーさん☆」

そう言って私が宿題をカナミは乱暴に受け取り、私の前から去っていく。紙で切ってしまったらしく、手のひらには血が少し出ている。私は少し遠慮がちに、隣の席の女子に話しかけた。

「あのっ、……絆創膏持ってないかな?」

すると、その子はきょとんとした顔で私を見つめた後に鼻でフッと笑いこう言う。

「は? あんたなんかにあげる訳ないでしょ?」

そう言ってその子は再び小説を読み始める。

「うわ、かわいそー」

「あいつに話しかけられるとか、マジ嫌だわー」

「味方なんて、誰もいないのにね」

遠くで、数人の女子がそう言っているのが耳に入ってくる。
そして放課後。私が用事がある為早めに帰ろうとすると、前から花梨達が歩いてきた。

#3→←辛い日々


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設定タグ:オリジナル , 雨ノ宮心音 , 親友   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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作者名:天ノ川夜月 | 作成日時:2016年6月12日 13時

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