Date9 ページ10
頭の中に響く、迅さんの声。
『撤収だよ。寄り道しないで戻ってこいよ〜。』
……はぁ？
「え、この状況で撤収？あと一歩だったのに？ありえないんだけど〜！？」
「はぁ、あっぶねぇ。ラッキーラッキー。これ、引き分けだよな？えーと、朔間？」
あと一歩の所で止められたこと、嫌いな名字を呼ばれた事などにより、私の中で怒りが吹き出て来る。
「…ちょっと、朔間って呼ぶのやめてくれる！？ていうか、今のはあと1秒あれば絶対私が勝ってたんだから！命拾いした分際で調子に乗らないでよね！」
八つ当たりするように、目の前にいる出水くんに向かって叫ぶ。
「うおおお、怖えぇ。さすが『吸血姫』様だな。」
「その何回か聞く『吸血姫』って何なわけ？」
「あれ、お前知らねぇのか。夜に現れる黒髪赤目の女の子がボーダー隊員のトリオン吸収するって。その様子が吸血鬼みたいだから『吸血姫』。それ絶対お前の事だろ。」
あー、暇な時に誰かのトリオン吸収した気がしなくもない。
「何それ、全然知らなかったんだけど。」
「まぁお前、なんか情報に疎そうだしな。」
「ちょっと、それバカにしてるわけ？」
出水くんと話して分かったことがある。
彼のトリオンは本当に私好みのいい匂いがする一級品。
だけど、彼自身はホントにムカつく!!!
こんなの、外見詐欺の中身最悪野郎じゃん！
仲良くなれそうとか思ってた頃の私に今すぐ教えてやりたい。
「おい出水、いつまで喋ってるんだ。さっさと撤収するぞ。」
「おお三輪、そうだな。じゃーな、朔間A。今度はちゃんと本部で模擬戦しよーぜ。」
そう言って出水くんは三輪と呼ばれた男子と一緒に帰っていった。
「出水公平！次は絶対完全勝利してやるんだからっ、忘れないでよね！」
私は遠ざかる彼の背中に向かって叫ぶ。
普段は絶対に叫んだりなんかしないのに。
彩さんに見られたら、熱でもあるのと言われそうだ。
これもぜんぶ、彼のせい。
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ルベラ - 神小説を見つけたゼ☆ ちょうど吸血鬼にはまってるので凄く好きです。しかもいずみん推し本当にありがとうございます。 (2021年6月5日 23時) (
レス) id: 5c3b65f0f4 (このIDを非表示/違反報告)
木の葉月 - めっちゃ面白いです！いずみん推しなんっすよ私。応援してます！更新頑張って下さい！！ (2020年8月9日 1時) (レス) id: c1e8187e40 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - sweetメロンさん» ありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいですっ。更新頑張ります！ (2018年12月28日 18時) (レス) id: e134c95972 (このIDを非表示/違反報告)
sweetメロン - とっても面白いです！更新頑張って下さい！ (2018年12月27日 14時) (レス) id: f91e96a353 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 蜂谷さん» 応援ありがとうございます！あんスタとワートリいいですよね！ゆっくり更新ですが頑張ろうと思います！ (2018年12月15日 22時) (レス) id: e134c95972 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天音 | 作成日時：2018年12月1日 21時
