【HQ】烏野高校に通う、とある少女の話８

しょぼくれモード ページ23

試合終盤

何だか木兎さんがいつもよりイライラしているように見えて私は首をかしげた


大丈夫かな、なんて心配しつつ試合の行く末を見つめていると



木「赤葦…今日はもう俺に上げんなっ…！」

そんな声が聞こえてきて、私は思わず面食らった



？「あれしょぼくれモードっていってさ、時々くるんだよ…」

隣にいた控えの森さんが苦笑しながら教えてくれる



しょぼくれモード…

何だか少しだけかわいい



そして木兎さんのしょぼくれモードが継続したまま試合はどんどん進んでいく




…おお、赤葦さんほんとにぼっくん先輩にあげない

でも梟谷全然崩れない、すごい






…と思っていたら最後は木兎さんが決めて試合は終了した


何が起こっていたのかよく分かんなかったけどすごい




(…素敵なチームだな)

ふとそんなことを思いながらコートの中にいる皆さんを見つめていると




猿「よっ！エースッ！」


急に先輩方が木兎さんを褒めだした




葉「カッコイーネ！」

小「やっぱ最後はエースですな！」


なるほど、木兎さんを完全復活させるための言葉って事か



ふんふんと一人で納得していると、言い終わった三人が一斉にこちらを見てきたから反射的に目を逸らした




…ヤバい、視線を非常に感じる



冷や汗を垂らしながらそっぽを見続けていると


「…悪いけど声かけてやってくれる？」

再度森さんに声をかけられた


しかもとても申し訳なさそうに



思わずうっと言葉に詰まる




『…何て言えばいいか分かんないです』

森「え…うーん、じゃあ…」


ボソッと耳打ちされた言葉を何も考えずにそのまま叫んだ



『…ぼっくん先輩かっこいいです〜惚れちゃいそう〜〜』

「「「「！？！？！？」」」」


今度は烏野の皆までこちらを見てきたから思わず森さんの後ろに隠れる




葉「あ、秋！？嘘だろ！？」

猿「いや落ち着けよ、嘘だろ」

小「絶対森の差し金だろ、見てみろアイツちょっとニヤニヤしてんぞ」

葉「森コラアアア！！！」

菅「え、秋山！？どういう事！？」

日「え！！Aは梟谷のエースの人が好きなの！？」

月「…ｷﾐってほんと単細胞でいいよね」

日「何だと！！」



(…私知―らない)


急に騒がしくなった回りの声なんて気にも留めず、木兎さんが背中を震わせて笑い始める



木「やっぱり俺最強―ッ！！ヘイヘイヘーイ」




…って復活早すぎない？

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