出会い�� ページ25
「あーあ。金田一が泣かしたー」
「お、おれ！？だ、大丈夫ですか！？」
慌てて涙をぬぐう。
『あ、ごめんなさい、つい…。あなたたちが優しくて』
「…災難でしたね」
『ね、買い物がてらちょっと遠くまで散歩しようと思ったらこれだもん、困っちゃうよねえ』
ははっと困ったように笑ってみせた。
『…あ、これあなたのジャージですよね、ありがとうございました』
そう言ってセンター分けの男の子に、ジャージを軽くたたんで手渡す。
「…いえ」
『あなたも、さっきは思わず突き飛ばしちゃってほんとにごめんなさい』
そして、受け止めてくれた男の子にもう一度頭を下げた。
「べ、別に全然大丈夫です！か、顔をあげてください！」
お言葉に甘えて、顔を上げて改めて二人を見る。
『助けていただいて、本当にありがとうございました…あの、お二人とも今からお時間ありますか…？』
「？」
「ありますけど…」
二人とも頭に？が浮かんでる。
そりゃそうだよね、なんかナンパみたいになっちゃったし。
『えっと、すぐそこのスーパーでお二人の好きなものがあれば、お詫びに買ってこようかなと思っていて。あ、ここで少し待っててもらうことになっちゃうんですけど…』
二人は顔を見合わせた。
「…また何かあると困るでしょ。…金田一、ゴー」
「ええ！？俺！？国見は？」
「俺はここで留守番がてら寝る…」
そう言うや否や男の子は近くのベンチに座って寝る体制に入ってしまった。
え、ここで寝るの？
隣の席の誰かさんを思い出すんだけど…。
「ったくしょうがないな…じゃあ俺着いてきます！！」
『え、お礼なんだからわざわざ来てくれなくても、欲しいものだけ教えてくれれば大丈夫ですよ？』
「いえ！また、変な奴がいたら危ないので！」
えええめっちゃ紳士やん…。
笑顔まぶしいんですけど…。
『…じゃあお言葉に甘えちゃおうかな。ありがとね、頼りにしてます』
そう言って微笑むと、男の子は少し照れたようにはにかんだ。
「じゃあ国見待ってろよ」
「…スゥ」
…え。
『え、あの子大丈夫…？』
「はい、まあ…とりあえず行きましょうか」
『う、うん』
私たちはひとまずスーパーに向かって歩き出したのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 439人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨音(プロフ) - 氷雨さん» わわ、めちゃくちゃ嬉しいです…!手直しも更新も早くできるよう頑張りますね(*´-`)コメントありがとうございました(*^^*) (2021年1月8日 14時) (
レス) id: 57a2e7dd63 (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - すっごく素敵なお話だと思います！これからも頑張ってください！ (2021年1月5日 15時) (レス) id: adfa992d1e (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 美月さん» コメントありがとうございます！！日向くん難しかったのでそう言っていただけてめちゃめちゃ嬉しいです…！これからもキュンキュンしていただけるように頑張るので、また是非ご覧くださいませ！本当にありがとうございました！ (2020年3月19日 8時) (レス) id: 57a2e7dd63 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 日向と国見さん後月島にもうキュンキュンしまくってます、、、！！←これからも頑張ってください！応援してます！ (2020年3月19日 1時) (レス) id: 7111f7e46f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨音 | 作成日時：2020年3月15日 18時
