飽和状態な日 (ページ2)

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コーヒー片手にキッチンから戻ると、Aの真剣な横顔が目に入った。
良い反応してくれたらいいな、なんて思いながら、Aの後ろに立つ。

少しして読み終わったのか、くるりと俺の方を見た。

「どう？」

「続きが気になる！早く本になった状態で読みたいな」

「本当？よかったー」

良い反応してくれたことにほっとしていると、何か言いたげな顔をしたAが口を開いた。

「……ねえ」

「ん？」

「この作品の女の人、すごく魅力的だね」

「あぁ、うん」

「……少し嫉妬しちゃった」

「え？なんで？」

「だってさ、この女の人はシゲの頭の中にずっといるんでしょ？いいなー、って」

そう言ってAは少し拗ねた顔をした。

ヤバいわ。可愛すぎる。

Aは、嫉妬発言が重く受け取られないようにか、へへへと笑っている。

あー、もう無理。

可愛いすぎるし、色気ヤバいし、なんなの。

「A」

「ん？」

「ごめん、もう無理」

「どうしたの？」

コーヒーを机に置き、椅子に座りキョトンとしているAに口づけをした。

「……シゲ？」

上目遣いだし、顔赤いし。
こんなの我慢出来るわけねぇじゃん。

「Aが悪い」

「えっ？」

Aの手を引き、寝室へ向かう。

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