い も う と 45 ページ46
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「お、大人の男性ってどんな女性に惹かれるんですか」
鏡越しの東さんを見ながら、純粋な疑問をぶつける。
至さんもたるちさんも、相手は素敵な大人の男性。
きっと今の子供っぽい私じゃ相手にされないし、好意も持ってもらえない。
ならば、2人に見合うような素敵な女性になるほかないだろう。
(たるちさんに関しては、どんな顔なのかすらわかんないんだけどね)
「...大人の男性、ね。」
そう言って東さんはドライヤーのスイッチを切った。
どうやら髪は乾かし終わったらしい。
「それは、ボク個人の意見になっちゃうんだけど...それでいいの?」
「はい!ぜひとも!!」
そうだなぁ...と言いながら東さんはヘアオイルを手にとって私の髪を撫で始めた。
その心地良さに、思わず目を細める。
「ボクは...Aみたいな子が好きかな?」
「し、真剣に答えてください!!」
髪をすくいながら言うもんだから、少しドキドキしてしまった。
これだから悪い大人は...!!
「...それで、その大人の男性っていうのは一体誰のことを指すのかな?」
「なっ!」
髪を整えてもらっているのも忘れて、振り返ってしまう。
おおっと...と東さんも少し驚いた様子であったが、私の反応を楽しむかのように妖艶に笑っていた。
___まるで、誰のことを言っているのか分かっているかのように、笑うのだ。
「東さん、もしかして...勘づいてます?」
「ふふっ、さぁね?」
(お、大人の悪い顔だ...!!)
ほら、前向いてね、と諭されてしまい再び鏡に映る自分と東さんとご対面。
鏡越しの東さんは、相変わらず妖艶に笑っていて、適わないなぁ...と、独り言をこぼした。
「.....でも、彼はそういう好みとかは別にないんじゃないかな。」
会社での女性からのお誘いは全部断ってるって聞いてるしね、と謎のフォローを入れてくれる東さん。
と、言うことはだ。
「か、完全に気づいてるじゃないですか.....」
「そりゃあ、ね?」
(あ、侮れない...ッ)
この劇団で、会社で働いているのは至さんくらいだ。
しかも女性からのお誘いを断ってる、というのは前にちらっと本人から聞いたことがある。
つまり、完全にバレているということだ。
「うぅ...それじゃあますます分からないじゃないですかぁ」
「至はゲームが彼女みたいなものだからね。」
「...え?」
耳を、疑った。
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雨村(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» わわわ!!!本当ですね!!笑なんだか危ない感じに……( 報告ありがとうございます、修正しておきます!! (2018年10月14日 22時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 36のとこで、勉強がべんきになってますぞ…最初色んな意味でビビりましたわw (2018年10月14日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - にゃるさん» ありがとうございます…!!最近は更新ペースがなかなか安定しなくて本当申し訳ないです。頑張ります!!! (2018年8月22日 1時) (レス) id: 291ab6483c (このIDを非表示/違反報告)
にゃる(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。これからも頑張ってください (2018年8月21日 21時) (レス) id: 1eb7bde713 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - 通行人Aさん» ほんとだ!!間違いです、すみません(><)ご指摘ありがとうございます!!修正しておきます。 (2018年8月21日 11時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨村 | 作成日時:2018年7月23日 0時