い も う と 44 ページ45
・
「そういうことに、なりますね」
...考えてなかった。誰かと付き合う、なんて。
好きになるのは自由だけど、付き合うとなったらそりゃあ話は別だ。
(至さんかたるちさんか、どちらかと付き合う...なんだか現実味が無さすぎるな)
どちらも大人の男性。もしかしたら既に付き合ってる女性がいるかもしれないし、そもそも私になんて興味がないかもしれない。
そう思うと、諦めに近いような、そんな笑みが漏れた。
「...多分無いかな。」
「ほぉ？」
「私と付き合ってる姿なんて、想像出来ないよ。...なんだか恋焦がれるだけで充分な気がしてきた。」
「そっか。まあがんばりなさーいよ...ってことで、イベント走るの手伝って？」
「はぁい」
話しただけで、幾分か気が楽になった。
楽しそうに笑う友人の顔を見て、私の頬も自然と緩んだ。
△▼△
「はぁ...いい湯であった...」
お風呂の心地良さについ長風呂をしてしまった。
まだ濡れている髪の毛をタオルで拭きながら廊下をぺたぺたと歩く。
濡れたままであるのには、理由があるのだ。
2階へ上がる階段を上り、206号室のドアをコンコンとリズムよくノックする。
「Aです。東さん」
「待ってたよ、入って。」
ドアの向こうから、東さんの声が聞こえゆっくりとドアを開ける。
すると、既に準備万端な東さんがいた。
＿＿ドライヤーと、クシを片手に。
「今日もよろしくお願いします。」
「ふふっ...任せて。」
妖艶に笑う東さんに、思わず息を飲んだ。
誘導されるがままドレッサーの前に座ると、頭の後ろでカチッとドライヤーのスイッチを入れる音が鳴る。
そして、数秒後には心地よい温風が私の髪を揺らし始めた。
「はあぁ...東さん乾かすの本当に上手いですよね...もう逃れられないんですけど...」
「ありがとう。喜んでくれて嬉しいよ。」
私は時々、ある決まったときに東さんに髪を乾かして貰っている。
いつも適当に乾かしていたのが東さんにバレ、女の子がそんな乾かし方しちゃダメ、とわざわざ乾かしてくれることになったのだ。
しかもご丁寧にヘアオイルやらなんやらを使ってそれはもう髪をツヤッツヤにしてくれる。
おかげで、私の髪は毎日なんとも言えないツヤを放っている。東さん様々だ。
そして、そのある決まった時というのが＿＿＿＿
「.....それで？今日はなんの相談かな？」
「聞きたいことが、あるんです。」
私に何か悩みがある時だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 534人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨村(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» わわわ！！！本当ですね！！笑なんだか危ない感じに……( 報告ありがとうございます、修正しておきます！！ (2018年10月14日 22時) (
レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 36のとこで、勉強がべんきになってますぞ…最初色んな意味でビビりましたわw (2018年10月14日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - にゃるさん» ありがとうございます…！！最近は更新ペースがなかなか安定しなくて本当申し訳ないです。頑張ります！！！ (2018年8月22日 1時) (レス) id: 291ab6483c (このIDを非表示/違反報告)
にゃる(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。これからも頑張ってください (2018年8月21日 21時) (レス) id: 1eb7bde713 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - 通行人Ａさん» ほんとだ！！間違いです、すみません(><)ご指摘ありがとうございます！！修正しておきます。 (2018年8月21日 11時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨村 | 作成日時：2018年7月23日 0時
