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流「犯人はまず、被害者を殺害し、外から部屋の鍵をかけた
そしてこの穴を利用して、遺体のそばまで鍵を運んだんだ」



数「でもどうやって…どんな道具を使ったんだよ」



流「道具なんて必要ない
この穴から鍵を戻してやるだけで自動的に奥の部屋の隅に辿り着くんだ」



流「そんな!
鍵が勝手に歩いていくとでも言うの」



流「歩いていくんじゃない、転がって行くんだ
A、持ってきたよね」



『うん、もちろん(笑)』



流は保冷剤から氷を出した



キュウ「え、氷??」



流「よく見てろ」



流は下の穴から氷を転がした



その氷は止まらずに奥の死体があった部屋まで転がっていった



メ「何で?何で止まらないの??」



キュウ「そうか、傾斜だ!」



流「そう
この部屋の床は見た目では分からないけど、ある一点に向けて緩やかな傾斜になってるんだ
そしてこのダンボールも、たまを邪魔しないベクトルな位置に計算されていたんだ」



氷は部屋の済で止まった



流「部屋の中は日中40度近くまで気温が上がる
氷が溶けて気化すれば、床に鍵だけが残る
これが密室殺人のトリックの正体だ」



キュウ「流、すごい!」



『さすが流だね(笑)』



流「///」



照れてる(笑)



数「喜ぶのは、犯人の正体か、死体消失のトリックが溶けてからにしたら??」



メ「悔しいねー数馬
流に先越されて」



数「別に?
僕が優先してたのは、犯人探しだし」



メ「妙な占いにはまってたくせに」



『占い?』



メ「そう
訳の分かんないこと言ってたんだから(笑)」



『へー』



数「やるべきことはやったさ
西村静香のファンサイトで、幻の一作が話題になっていたよ」



キュウ「彼女新作書き上げてたの?」



数「あぁ
出版社に問い合せたら、彼女亡くなる直前非公式にメールを送ってたらしい
“次の作品のコピーを、学校の図書館に隠します
それを発見出来た方と、今回は出版契約を交わします
ヒントは、決して読まれることのない作品です”ってね」



メ「さすがミステリーの女王
謎かけときたか」



キュウ「で、その原稿誰か見つけたの」



数「いや、各出版社はいろんな手を使って探してみたけど、未だに発見出来ずにいるんだって
彼女のパソコンに作品が残ってる可能性があったんだけど、亡くなった時にクラッシュして確かめようがないみたい」



メ「でも、誰にも読まれることがないって言われても…」



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作者名:山田はるぷぅ | 作成日時:2015年6月5日 22時

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