制限時間は命ひとつ分 (ページ6)

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５話ページ6

ボクのばあいは、どうやらとくべつ？らしい。
ボクをうんでくれた“おや”がとつぜんいなくなっちゃって、みちばたにたまごがおちていたのを、ほかのヒトにひろわれたんだって。
そのたまごが、ボクだった。
ほんとうのおやがいないことは、よくわからないけど、すこし…かなしいかんじもする。
いつか、がんばってさがしてみれば、その、ほんとうのおとうさんやおかあさんも、どこかでいきているのかな…でも、ボクをすてたのだとしたら、あわないほうがいいのかな…とか、いろいろかんがえちゃうこともあるけど…。
…でも、だいじょうぶ。
だって、いまは“おとうさん”も“おかあさん”も、サクもいるから、ぜんぜんさびしくない！

それから、ボクはサクといっしょに、ゆきのなかをあるいて、たくさんのマキをかかえて、すこしだけ、ゆきあそびもしながらかえった。
おうちは、うまれたばかりのポケモンがおちついてくらせるようにって、すごくしずかなやまのふもと？にあるから、ゆきもたくさんふるんだって。
ボクもサクも、ゆきはだいすきだけど、あそびすぎると、どろだらけになって、おかあさんにおこられちゃう。こんかいはマキをもってるから、なんとかあそびすぎないようにがんばった。

「リオちゃん、リオちゃん、お鼻に雪がくっついてるよ」
「？」

サクがボクのはなについたゆきをとってくれる。そのとき、ふたりどうじにしぜんと、くしゅん！とくしゃみがでて、それがおもしろくて、わらっていたら、ぜんぶマキをおとして、かいしゅうするのがたいへんだった。

「よーし！おうちまで競争！よーいドン！」
「きゃうん！」

これもいつものこうれい、マキをもってぜんりょくではしる。きょうそうとはいうけど、マキをおとしたり、おたがいゆきにつっこんだりしたら、たすけあう。
…サクとあそぶのが、いちばん、たのしいじかんなんだ。

「おお、お帰り！今日はたくさん持ってきてくれたね！サクラ、リオン、いつもありがとう！」

そういって、おとうさんがボクと「えへへ〜すごいでしょ！」とわらうサクのあたまをなでる。さいしょはこわいとおもってたけど、いまではボクは、おとうさんのおおきなても、だいすき。

「よーし、火をつけるぞ…」
「あなた、はい、ライターよ」
「おお、ありがとう！火をつけるポケモン、うちに一匹くらいいてもいいかな…？」

おとうさんとおかあさんがそんなやりとりをしながらへやのだんろのひをつけている。

これが、ボクのにちじょうだ。