制限時間は命ひとつ分 (ページ5)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:14,158 hit

４話ページ5

“おかあさん”からも、いろんなことをおそわった。
ヒトには、ココロの“なみ”……“はどう”がみえない。
だから、あついとかさむいとか、うれしいとかかなしいとか、そういうかんじょうを、ヒトはことばであらわすことがあるみたいだ。
それから、ヒトはりょうり、というものでごはんをおいしくするんだって。
ボクはまだちいさなこどもらしいから、まだえいようがたくさんあるごはんしかたべられないけどね。

ボクがうまれたときのあの、おとうさんがもってたマグカップのなかにはいっていたのみもの、はやくおおきくなって、のんでみたいなあ…ホットココアっていうんだって！

…ほんとうはおとうさんもおかあさんも、“おとうさん”“おかあさん”ってなまえじゃないんだけど、サクがよぶから、ボクもそうよんでいる。
ヒトは、かぞく？のなかではとくべつななまえでよぶことがあるらしく、ボクのことをみんなが“リオちゃん”とか、“リオン”ってよんでくれるのは、かぞくだからだ。
まだあまりヒトのことばとかは、よくわからないけど、そういってもらえるのは、とてもうれしかった。

「リオちゃーーーん！いくよー！」
「…！」

ぼうかんぎ？をしっかりきこんだサクがよんでいる。ボクはこくんとうなずいて、おそとへつながっているげんかんにむかった。

「気をつけて行ってきてね、リオンは大丈夫？寒くない？」

おかあさんがひきとめて、ボクにあかいもふもふをくびにまいてくれた。このもふもふは、マフラーっていうらしい。ボクがうなずくと、おかあさんは「良かった、二人とも気をつけて行ってらっしゃい」とやさしくおくりだしてくれた。

「いってきまーす！リオちゃん！おてて繋いだげるね！」

そういって、サクはボクのてをにぎってはしりだした。
きょうも、マキをとりにいくんだ。
といっても、ボクもサクも、まだちいさなこどもだから、あんまりおうちからはなれたところへはいかないんだけど。

おうちには、おおきなだんろがあって、そこにマキをくべて、ひをつけてへやをあっためるんだ。
どうやら、おとうさんのおしごとは、ポケモンのたまごをそだてることらしい。
トレーナー？やブリーダー？っておしごとのヒトとか、とにかくいろんなヒトから、ポケモンのたまごをひきとり、そだてて、ふか？したら、こんどはまたべつのしんせつなトレーナーやブリーダーにゆずるんだって。
ボクも、そのなかのたまごからうまれたらしいけど…。