制限時間は命ひとつ分 (ページ3)

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２話ページ3

「はい、どうぞ。優しく触ってあげてね」
「うん！」

ちいさなヒトは、おおきなヒトになにかいわれて、ゆっくりとボクのあたまをなでてくる。

「くぅん…」

…ちいさいけど、あったかくて、おちつく。
このちいさなヒトのココロの“なみ”……とってもあんしんする…。
あったかい…。

「あったかーい…」

ちいさなヒトも、なにかいっている。
ことばのいみはわからないけど…。
ヒトのては、あったかいんだね…。
ボクは、ちいさなヒトのてにあんしんして、いつのまにか、ねむってしまっていた。

これが、ちいさなヒトとの…のちに、ごしゅじんとなる、サクとの、であいだった。

「おとうさん！この子がいい！この子がいーいー！！」

つぎにめをさましたときにきいたのは、ちいさなヒトの、なにやらおだやかじゃないこえ。
なにがおきているのかしりたくて、かけられていたもふもふからすこしかおをだして、みみをかたむける。

「えー…でも、リオルってポケモンは人に懐きにくいんだよ？せっかくパートナーにするなら、最初はもっと他のポケモンにした方がいいんじゃない？」

おおきなヒトは、なにかちいさないれものをもって、ちいさなヒトにいっている。
なにをいっているのかな…なんだかこまっているようすだけど…。それにしても、あのいれもののなかにあるのはなんだろう…あのいれものから、ゆげがたっていて、すごくいいにおいがする…。

「やーだ！やーだ！リオちゃんがいいの！！」

そういって、ちいさなヒトはボクのほうをみた。めがあって「あ…」とこえがあがる。ボクはめをこすりながら、キョロキョロとあたりをかんさつした。
めにうつるもの、ぜんぶがしんせんで、たのしい。

「あちゃー、起こしちゃったみたいだね、ごめんね…よしよし」

おおきなヒトがいれものをコトンとだいのうえにおいて、ボクのあたまをなでてくる。ちいさなヒトよりなんばいもてがおおきいから、すこしこわい。

「とりあえずご飯あげようか、お腹すいただろう。…ん？このマグカップが気になるのかい？」
「…」

おおきなヒトがマグカップ？ってよばれたいれものをあげてみせたから、こくんとうなずくと、とつぜんおおきなヒトはわらった。

「うーん、さすがに赤ちゃんだから、まだホットココアは早いなあ！しっかり栄養つけなきゃだからね、もう少し大きくなったら、その時に淹れてあげる。さ、君のご飯だよ」