制限時間は命ひとつ分 (ページ18)

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１７話ページ18

ボクは息を飲む。
太陽の光に照らされて、キラキラとすきとおった水が輝いている。
すごく、綺麗…。

『おおおお！スッゲー！みずうみだ！』
『わーい！わーい！』
『ふふ、ぼうけんしてるってかんじがする！』

ボクらは湖にかけよって、よくあたりを見渡す。
ゼニガメはさっそくなんのお構いなしに湖に飛び込んでいるし、モクローとファリナは水を飲んでいる。

『リオンもおいでよ！ここのおみず、すごくおいしいわよ！』

ファリナが笑顔でそう言ってくる。
ボクも、少しだけならいいかって、水を掬って飲んだ。たしかに、すごく美味しい…。それにこんな綺麗な湖を見るのは、初めてかもしれない…。

『ぷはーーーっ！さいこうー！やっぱりきてよかった！リオンもおよごうぜ！』
『…このなかでおよげるの、きみだけだとおもうよ…』
『ちぇ、つまんないのー』

ゼニガメが水の中から楽しそうに手を振って、モクローが冷静に突っ込んだ。
なんだ、嫌な予感がするのも、思い違いだったんだね…と、綺麗な湖に気を取られていると…どこからか、視線を感じて、ボクはハッとした。

いや、違う。
やっぱり、何かおかしい。
一瞬、まだ未成熟な房が、わずかに何者かの波導を感じとった。

やっぱり早く帰ろう、そう声をかけようとしたその時。

「キェエエエエエエ！！！」

何かの鳴き声が、こちらに向かってくるのがわかった。ボクらは、ほぼ同時に空を見上げると、そこには、とても大きなポケモンの影がバサバサと空を飛んでいた。しかも、一匹じゃない、何匹も何匹も。

『な、なんだあれ…！？』
『すごくおおきい……』

さっきまではしゃいでいたゼニガメたちも、湖から離れて、ただごとじゃないといった様子で空を見ている。
その中の一匹が、突然ファリナに向かって急降下してくる。

『ファリナ！危ない！』
『わぁ！？』

ボクはファリナを突き飛ばして、何とかことなきを得た。
その一匹に続いて、沢山の数のポケモンが、翼を羽ばたかせながら急降下してくる。

『なっ…なんだなんだ！なんだよあれ！』
『ひぇえええ…！オニスズメと……オニドリルだ！！』

モクローが、ポケモンの名前を言う。
オニドリル……お父さんの書斎のポケモン図鑑でも…凶暴なポケモンの一種として、確か描かれてた…！
…そして、あの群れの中で、一番大きいポケモン…多分、あれがオニドリルだ…！