検索窓
今日:16 hit、昨日:14 hit、合計:985,903 hit

それだけじゃダメ? ページ29

優しく髪を撫で


背中に回る手が温かい。


泣いてる私を落ち着かせる


規則正しくトントンと打つ裕太くんの胸の音。




何も言わないでただ抱きしめてくれる。


暫くして、私も落ち着き


裕太くんの胸から離れようとすると


抱きしめられていた腕がぎゅっと力が入った。









「…裕太くん、ごめんね。

もう、大丈夫───」


玉「……A。」


「…っ、」



耳にかかる優しくて低い声。


裕太くんの声はスッと入って安心する。



玉「ごめん。不安にさせて。」


「……っ、」


玉「……湊に何言われたか知らないけど、

湊とは本当に何もない。信じてほしい。」


「……」



より一層強まる腕の力。


裕太くんの声が少し震えていて。


胸がぎゅーっとなった。



私が不安なように裕太くんも不安なんだ。



「……もしまだ湊さんが裕太くんを好きだったら?」




私はどうしてこんな嫌な事を言ってるんだろう。

わざと困らせてる。


裕太くんの気持ち探るようなことしてる。





だって、だって。


すごく不安なの。



色んな裕太くんを知る度に


好きがどんどん大きくなって


今、もし、裕太くんが私の側から居なくなったら?


きっともう、こんな恋は二度とない。


それくらい私を変えてくれた。


だから、失う事がものすごく怖い。


もし、失うくらいなら私から───



玉「俺が好きなのはAだよ。

それだけじゃダメ?

湊の気持ちより、俺の気持ちは?」




裕太くんの手が私の頬を包んだ。


真っ直ぐ見つめる大きな瞳は


しっかりと私を捉える。




玉「好きだよ。」


「……────っ、」


玉「好き。」





静かに流れる涙を親指で拭ってくれる。



玉「……好き。大好き。

Aの不安がなくなるまでずっと言い続ける。

だって、俺、Aしかいらない。」


「……うん……っ」



玉「好き。」


「……っ、うん……私も……っ

す───」




私も好きって言う前に


裕太くんは私の唇をキスで塞いだ。

これとないくらいに。→←込み上げてくる感情。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (1187 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5103人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りさ - また続編見たいです(*^-^*) (2021年4月10日 0時) (レス) id: 41dc70dfaa (このIDを非表示/違反報告)
なゆ(プロフ) - いつの日か続きが見れる日を楽しみに待ってます! (2020年1月4日 15時) (レス) id: 3cf62938b7 (このIDを非表示/違反報告)
タ マ モ リ _ ピヨ マ ル(プロフ) - たまこさん» 私もキミシリーズは大好きです(≧∇≦) 「キミはトクベツ」の裕太くんのヤキモチは何度読んでも胸キュンが止まりません! こちらこそ、このような胸キュン作品を書いてくださった、たまこさんに感謝、感激です(T_T) (2018年1月13日 11時) (レス) id: ac67987a8b (このIDを非表示/違反報告)
たまこ(プロフ) - タ マ モ リ _ ピヨ マ ルさん» キミシリーズを読み返してくれてるんですね。感謝(;_;)感激です。(;_;)裕太くんのお話でキミシリーズは私もお気に入りです。 (2018年1月13日 1時) (レス) id: 0da3131f85 (このIDを非表示/違反報告)
たまこ(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、いつも温かいメッセージありがとうございます(;_;)感謝です。嬉しくて今日は更新しちゃいました。(笑)引き続き楽しんで頂けたら嬉しいです。 (2018年1月13日 1時) (レス) id: 0da3131f85 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たまこ | 作成日時:2016年2月3日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。