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逃げるなよ? ページ23

玉「えっ?えっ?

どうした?どうした?泣いてるの?」


「……っ、」





裕太くんのストレートな言葉に


グッと胸が熱くなった。




なんだか泣きそうになって


でも今ここで泣いたら


裕太くん、困っちゃう。




「……違うの、」



玉「違う?何が?え?え?」




泣かないように


裕太くんに見られないように


顔を背け、下を向いたら


余計に涙が溢れてきて


涙が落ちそうになって


悲しくて泣いてるんじゃないって


伝えたかったのに、「違うの」しか言えなくて。




裕太くんが焦ってるのがわかるから


私もどうにかしなきゃって焦っちゃう。



私はそっぽ向いて、


裕太くんは困った顔(してるんだと思う)。


そんなところに平野くんが戻ってきて




平野「あ……えっと、修羅場?」


玉「え?!修羅場??」


「違う〜っ」





的外れなこと言って


更に困り顔の裕太くん。




平野「違うの?」


玉「何で修羅場になるんだよ」


「平野くん変なこと言わないでよ…」




笑いながら面白がって


私と裕太くんを見るんだから。



本当にもう、


涙も引っ込んだよ。








平野「ちゃんと話せた?」


「ちょっ…もういいの。

大丈夫になったから…」





来い来いと手招きして


裕太くんに聞こえないように


耳打ちしてする平野くん。



平野「大丈夫って、泣いてるくせに?」


「これは……っ」



玉「はいはーい。

全部聞こえてますけどー」


「……っ!もう、平野くんが余計なことするから!」


平野「余計なことじゃねぇよ、親切でやってんの」


玉「……ごめん、平野。

A連れて帰るわ」


「え?」


平野「それがいいと思います。

どーぞどーぞ。うるさいから連れて帰って」



玉「行くよ」




グイっと掴まれた腕。


そのまま私を店の外に連れて行く。




玉「タクシー呼ぶからここで待ってて」



「……えっ、」



玉「逃げるなよ?」



「っ……///」




ハットの下で笑う裕太くん。


その言葉に硬直する私。



ただ呆然と裕太くんの背中を見つめた。

独占欲。→←邪魔したかな?



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りさ - また続編見たいです(*^-^*) (2021年4月10日 0時) (レス) id: 41dc70dfaa (このIDを非表示/違反報告)
なゆ(プロフ) - いつの日か続きが見れる日を楽しみに待ってます! (2020年1月4日 15時) (レス) id: 3cf62938b7 (このIDを非表示/違反報告)
タ マ モ リ _ ピヨ マ ル(プロフ) - たまこさん» 私もキミシリーズは大好きです(≧∇≦) 「キミはトクベツ」の裕太くんのヤキモチは何度読んでも胸キュンが止まりません! こちらこそ、このような胸キュン作品を書いてくださった、たまこさんに感謝、感激です(T_T) (2018年1月13日 11時) (レス) id: ac67987a8b (このIDを非表示/違反報告)
たまこ(プロフ) - タ マ モ リ _ ピヨ マ ルさん» キミシリーズを読み返してくれてるんですね。感謝(;_;)感激です。(;_;)裕太くんのお話でキミシリーズは私もお気に入りです。 (2018年1月13日 1時) (レス) id: 0da3131f85 (このIDを非表示/違反報告)
たまこ(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、いつも温かいメッセージありがとうございます(;_;)感謝です。嬉しくて今日は更新しちゃいました。(笑)引き続き楽しんで頂けたら嬉しいです。 (2018年1月13日 1時) (レス) id: 0da3131f85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまこ | 作成日時:2016年2月3日 9時

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