甘い時間。2

今さらだけど。 ページ37

「ありがとう！じゃ私急ぐね！

お疲れ様！」



平野「おう、お疲れ。じゃあな」







平野くんにとりあえずお礼を言って


会社を飛び出す。



約束の20時がちょっとだけ過ぎてしまいそう。


それだけでちょっとだけ


不安になる。


裕太くん怒らないかな？


嫌われないかなって。




仕事に集中してて


スマホ見てなくて


タクシー捕まえて乗った時にやっと見た。




裕太くんから着信入ってて


一気に身体中の熱が指先に集まる。




とりあえず掛け直してみると


裕太くん、すぐ出てくれて


いつもと変わらない声色で


お仕事お疲れ様って言ってくれた。


それだけで


胸がぎゅうっとなった。




少し遅れること話すと


ふふっ、と笑って


大丈夫。ちゃんと待ってるから。って


気をつけて来てねって。




あぁもう。


仕事終わりに染みる言葉だ。



どんどん裕太くんのこと


好きになってる。




好きって気づいたら


それだけで終わりじゃないんだ。




裕太くんの笑った顔、声。


もっともっと


色んな顔が見たくなって


色んな声が聞きたくなって


欲張りになる。





今さらだけど


「好き」ってすごい。





会いたいって思ってる自分が


今までの自分じゃないみたいで。





心動かされているのはきっと


裕太くんだから。


裕太くんだから、会いたいの。

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