甘い時間。2

距離感。 ページ19

平野「…まぁでも、急に連絡途絶えるなんて

相手に失礼だと思うけど」



「…うん。そうだよね」





わかってる。


最低なことしてるって。


すごく自分勝手だってこと。


だけどこうでもしないと


頭の中裕太くんでいっぱいになるの。




裕太くんのこと知るたびに


胸が苦しくなる。


どうしていいかわかんない。




最初出会った時のあの距離感と


今の距離感、違う。


裕太くんのこと知るたびに


彼はすごい人なんだって


思い知らされる。


テレビ付ければ裕太くんが映っているし


外に出れば宣伝用のポスター。


本屋行くと沢山の雑誌に載ってる。







違う世界の人だって


そう思わせられる。





一緒にご飯行ったり


ドライブしたり、夜景見たり


あれは全部奇跡に近いんだって。








平野「…裕太も何考えてるかわかんないしな。

悪い奴じゃないんだけどね」



「…うん。

何考えてるかわかんない。

でも、憎めない」



平野「そうそう。

憎めないんだよなー。

何しても許されちゃう。ほんと」






クスクス笑ってる平野くん。


本当に裕太くんと仲が良いんだ。


優しい顔してる。






「…話聞いてくれてありがとう。

ちょっと夢見過ぎちゃったのかな。

クリスマス近いし、浮かれてたのかも」





そうだよ。


少し浮かれてたの。


平野くんと話して少し落ち着いた。






平野「…浮かれてたって…」



「うん。大丈夫！ありがとう。

裕太くんにはそのうち連絡するから」






気持ちの整理が着くまで


ちょっとだけ時間が欲しい。



時間が経てば夢から醒める。


好きの感覚もきっと変わる。




平野くんは納得がいかないような顔してたけど


これが現実。


切り替えなきゃ。

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