甘党彼氏といちご牛乳、【銀魂】

ep.93ごめんなさい ページ49

_____…。


チュンチュン、と小鳥のさえずりが穏やかな朝を知らせる。

「……うっ…………」

体に怠さを感じながらもAはゆっくりとベッドから起き上がった。いや、起き上がろうとしたのだ。


………動けない。


理由は2つ。

1つ、腰が痛い。
2つ、痛い腰が銀時の腕にがっつり掴まれている。


「……はぁ」

Aの口から重いため息が溢れた。


我ながらどうでも良い事で怒らせてしまったと思う。さっさと白状してしまえばこんな事態にはならなかった。

昨晩は、その……いつもより確実にハードな夜であった。もう色んな意味で死にたくなったし色んな意味で死んだ。

最終的には怒っているというよりも愉しんでいらっしゃったが……


「起きたら…何て言おう」

体の向きを変えて銀時と向き合うように安らかな寝顔を見る。きっと目を覚ませば例のキスマークについて追求してくるのだろう。

と言っても、昨晩の何やらの所為でAの付けたキスマークはほぼ分からなくなっているのだが。

「…ごめんなさい」


どうでも良いウソを吐いて。
不安にさせて嫉妬させて。

ごめんなさい。


Aは眠る銀時の唇にそっと口付けた。

あとがき→←ep.92失敗したから死刑

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す