甘党彼氏といちご牛乳、【銀魂】

ep.74親しき仲にも礼儀あり ページ30

「すいませんでした」
「…。」

ラッキーハプニングから数分後、当然の事だが銀時はAに平謝りを繰り返していた。2人とも水から上がり、Aは眉間にシワを作って銀時を睨み付ける。

「ねぇ、"親しき仲にも礼儀あり"ってことわざ知ってる？」
「一応国語教師志望なんで知ってますね」

Aはプールサイドのベンチに座り足を組み替えると銀時を見下ろした。その目には完全に侮蔑の色が見えている。

「いくら親しくてもやって良い事とダメな事あるって、解るよね？いい大人なんだから」
「ハイ、仰る通りで」

結局、胸にダイブした事だけでなく下半身を舐めるように見ていた事までバレてしまった。それに夢中になっていたお陰で2人とも溺れかけたのだ、仕方あるまい。

「はぁ…」


ホント、馬鹿なんだから。


Aはため息をこぼすと正座で大人しくしている銀時に向かってこう言った。

「ジュース奢って。それでチャラね」
「え、でも……」
「いいから。じゅ、う、す！！」

半ば怒鳴るような言い方に銀時は「ダッシュで買ってきます！！」と叫んですぐさま近場の売店へと走って行った。

「…ふふっ。ばーか」

そんな一生懸命な男の背中に向かってAは笑顔で呟くのだった。

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