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及川side
蘭子がすんなりと別れを受け入れてくれれば、ここまで言うつもりはなかった。
別に蘭子を苦しめたり、追い詰めたりしたいわけじゃないからね。
だけど、ここまで自覚がなかっただなんて…ちょっと驚きだよ。
「じゃ、教えてあげる。
少し前にさ、待ち合わせしてたけど、俺が急用かできたからってドタキャンしたことあったでしょ。」
蘭「……………ええ、あったわね。それがどうしたの？」
「その時さ……大学のキャンパスで友達と俺の事話してたでしょ！
『当たり前じゃん！イケメンじゃなかったら付き合わないよ！
女の子馴れはしてるんだろうけど、バレーばっかやってたから遊びなれてないしね！だけど、見た目はいいじゃん。友達には自慢出来るし……最高の彼氏だよ！』って。
俺とは見た目だけでお前は付き合ってたんだな。そんなやつは高校の時に腐るほど居たんだ。
だから、そんな女に騙されない様にって警戒してたんだけど…やっぱりお前もだったんだな。」
俺はあの日蘭子が言っていたことを、まるでボイスレコーダーを再生させるかのように話してやった。
あの時の言葉は今でも鮮明に覚えてる……それだけショックで蘭子のことを好きだったんだと言うことなんだろうな。悔しいけど…
蘭「………………盗み聞きしてたんだ。最低！」
いやいや、お前に最低とかって言われる筋合いはないよな。
最低なのはお前の方だし！！
「お前って…ほんと救いようがないよね。
最低なのはお前の方だし！ちなみに俺は盗み聞きしたんじゃなくて、偶然聞こえただけだし。お前もこれからは回りをよく見て話せよ。じゃなきゃ友達もいなくなるぞ！
じゃ、俺はこれで！もう、大学で見かけても声掛けないでね！」
こいつにはいくら言ってもわかんないよ、きっと。
俺は後ろで罵声を浴びせて来ている蘭子を無視して、店を出た。(マスターごめん。変なの置いていっちゃって)
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
はぁ〜これで晴れて別れられたよ。
なんだか疲れた。
こんなに別れ話で拗れたのは初めてだよ。ほんと、えらいのに引っ掛かっちゃったよね俺。まあ、自業自得なんだけど……
こんなこと、岩ちゃんや元青城メンバーに知られたら笑われちゃうよ。
でも、これでAちゃんにちゃんと自分の気持ちを伝えられる。
メガネ君にも牛若にも負けないんだから！
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作者名：みぃさん | 作成日時：2017年11月28日 17時
