バンバン ページ11
食事のあとルリ子と私は奏ちゃんの店までブラブラと歩いて行くことにした。
「この前ね。マサに連れてってもらったの。」
ふふ・・もう行ったんだ。
なんだか私は妙に嬉しかった。
「奏ちゃんって楽しいでしょ」
「Aの事ベタ褒めしてたよ。なんか私まで凄く嬉しくなっちゃってさ」
そう言うとルリ子は私の腕に腕を絡ませた。
二人で仲良く腕を組んで歩いた。
「A」
「ん？」
「さっき鏡の前で何考えてたか当ててみようか」
お店を出る前に化粧室で若い女性二人と一緒になった。
鏡に映る彼女たちがキラキラ輝いて見えた・・・。
「現実を見つめたくないって思ってたでしょ」
「・・・・・」
「A」
「ん？」
「私たちにはさ若い娘にはない魅力があるんだから」
「たとえば・・それってなに・・・」
「ん・・それって具体的に言葉にだせるものじゃなくていいんじゃない？」
「そうだね・・・」
「そうだよ。そんなことAだってわかってるでしょ」
「わかってるけど・・・なんだかちょっとネガティブってる」
「トモくんのひとこと・・・影響力大だね」
「そうじゃないけど・・・」
「そうじゃないの？」
ホントの事言いな・・とルリ子の目が訴えている。
「・・そう・・だよ・・私・・・あのひとことに結構うちのめされたかも・・・私は誰かの妻で誰かの母親・・ただそれだけなのかな・・って」
「陥りやすい落とし穴に落ちたねA。でもさ・・ほら。Aの武器はここ。なにせアイドルに鼻血出させるくらいなんだから」
ルリ子は手を伸ばして私の胸にタッチした。
「もっとバンバン女性ホルモン出さないと」
「ルリ子はバンバン出てるでしょ。」
「私は出てるけどさ」
おーっ否定しない。
「最近やった？」
来ました直球ストレート
「やるわけないじゃん」
「それが問題だね」
「その問題だけは解決の術がないよ」
「そっか・・・」
ルリ子は腕組みをして考え込んでいた。
「だったらね・・・まずはドキドキを増やさないと」
「階段の上り下りとかして？」
「もうAったら！」
「ウソよ。ドキドキを増やして少しでも女性ホルモン分泌させる」
「バンバンね」
「わかった。バンバン」
「ダンナは？」
「明後日・・・久しぶりに帰ってくるわ」
「じゃあまずはそこで補充？」
「う〜ん。そこは無理」
「知ってるけど聞いてみた」
「もう！ルリ子ったら」
ルリ子と私は顔を見合わせて笑った。
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作者名：Luna | 作成日時：2014年2月23日 11時
